HRW東京オフィスインターン自己紹介:栗本和泉2010/07/23 17:46

はじめまして、3週間ほど前から、ヒューマン・ライツ・ウォッチでインターンをさせて頂いている、栗本和泉です。

私は、現在フィラデルフィアにあるアルカディア大学の大学院でInternational Peace and Conflict Resolutionを専攻している、修士課程1年生です。国際関係学の一分野として発展してきた学問領域の平和学・紛争解決学は、、戦争や紛争といった物理的な暴力のある状態だけでなく、 関連してくる貧困問題や開発問題・人権問題など、多様な問題も研究する学問です。中でも、私は子供の権利について研究しています。


独立宣言が起草されたフィラデルフィア


大学にあるお城


高校でアメリカ留学した際、9・11同時多発テロが起き、世界問題に関心を持ち、その後、名古屋にある南山大学に進学し、国際関係論を中心に学んでいくうちに、Peace and Conflict Studiesという日本ではなかなか普及していない学問に興味を持ち、アメリカの大学院に進学しました。

大学には様々な国から来た学生がたくさんいます。韓国、中国、インドネシア、インド、フィリピン、ナイジェリア、ガーナ、スーダン、ルワンダ、イラク、コロンビア、ブラジル、イギリス、ドイツなどなど、世界中に友達ができます。

現在も紛争が続いている地域から来ている子の中には、昔少年兵だった子や難民としてアメリカに移住した子もいます。彼らの中には、耐え難い辛い経験をした子もいるのですが、それにも関わらず、明るく、陽気な友人に、いつも刺激と強さをもらいます。

フィラデルフィア美術館にて


アイルランド研修


実は私、岐阜県出身の超田舎娘です。
岐阜県の中でも田舎と言われるぐらいの田舎で天真爛漫に育ちました。
みなさま、都会生活に疲れた時は、是非岐阜県に遊びに来てください。
空気が澄んだ、長閑な場所にきっと癒されます☆


清流・長良川



様々な論文を読むと、データの引用先として度々登場する“Human Rights Watch”。日本事務局を設立をしたことを知った時は、ビビビッときました。笑 

人権侵害の調査とアドボカシーにおいて、世界的に信頼されているHRWの活動に是非参加し、日本で広めるお手伝いをしたいと思い、応募したインターン。

HRWは子供の権利も扱っているので、自分の研究に関連付けられたらと密かに思っています。本当にたくさんの人と出会い、色々な経験をさせて頂き、貴重な経験となっています。

ちなみに私の趣味は、食べること、お酒を飲むこと、お買い物をすること、音楽を聴くこと、料理をすることに加え、姪達と遊ぶことです。彼女らに会うと、世界中の子どもが、一人の人間として、大切に扱われ、健全に成長できる社会になって欲しいという思いが強くなります。母性本能でしょうか。笑





今後、ブログ記事を書くことも多々あると思いますが、読みやすく、興味深いものを書くよう頑張りますので、みなさま、是非チェックしてくださいね!

よろしくお願いします。








NHK“MISSION”公開収録報告③:井上先生2010/07/26 15:46

2人目のインタビューは、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)、総合政策学部の専任講師、井上英之先生です。

ピンクのシャツがとってもお似合いだった井上先生は、NPO法人ETIC.ソーシャルベンチャーセンター プロデューサー 、ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京 代表など、大学外でもご活躍されています。




―今日のご感想をお願いします。

「今の若い人は場さえ作れば、すごく想像的だし、いろんなアイディアもあるし、喜んで話してくれると僕は信じてて、それでもビックリしたのはディスカッションの後、ほぼ全員手を上げていたこと!」

―本当にあれはすごかったですね!

「あとは、危機感が伝わらないという発言が出た時、結構前の方の人が、首を傾げてる人がいて、それに対する宮田さんの答えもすばらしかったけど、その後別の子がアナログという言葉を遣って、もっと宮田さんの言葉を伝えることが大事って言ってて、すごくみんな頷いてて、きっとみんなで共通で感じる大事なことって、みんなの中にあるんだなって思ったんだよね。」




―みんな共通の想いを持てるってすばらしいですよね。

「うん、今日はNHKが入ってたけど、本当はみんな宮田さんがいなくても、こういう事できるんだよね。例えば、ヒューマン・ライツ・ウォッチでこんな問題が起きてるって事をシェアすると、みんな考え出したり、アイディアや知っている事を出す場って、この世代なら色んな所で作れるんだよ。上の世代だと、横で“私”を主語に話すのってもう少し苦手だと思う。だから、みんなならできる!!」

―確かに、みんなで考えを出し合うと、すごいパワーが生まれますよね。

「そうそう、あとね、今日宮田さんは本当にきれいな素敵な顔をしていたよね。僕は実は朝きつくて、眠くて仕方なかったんだけど(井上先生は、収録で授業進行を務めたため、大学に泊まったそうです。)、でもね、こっちから見てたら、みんなもすっごくいい顔してて、宮田さんが壇上にいたら、すっごく話しやすかったと思う。もう思わずしゃべり出しちゃう空気ができていて、すごく素敵だった!」




―本当にいい空気でしたね。ちなみに、井上先生の“MISSION”は何ですか?

「う~ん、自然と人間界の社会を一致させたい。」

「自然ってすごくオーガニックですばらしくって、例えばその辺の原っぱに行くと、すごく小さい虫がいて、石をひっくり返してみると、ダンゴ虫やアリがいて、もっと細かく見ると、そこにバクテリがいて、全部の世界ができていて、全部生きてるんだよ。」

「みんな“学生”って言われても、みんな同じじゃないじゃん?みんな考えて生きてて、そのメガネもTシャツも誰かが作ってて、そこにはいろんな人が関わってて、全部世界は生きてるんだよね。にも関わらず、今のビジネスって、コントロール可能で、目標に対して効率的に達成しなきゃいけなくて、自然界の摂理と人間の社会にズレがあるんだよね。」




「それをもう少し自然に、みんなが生きてるすばらしさをちゃんと表現していきたい。」

「みんな絶対何か才能があるわけ。今日の発表も、その才能がちらちら見えるわけじゃん。一人ひとりの好みとか、強味とか、それが大きく開花して繋がっていく世界を、僕は“みどりの地球”って言ってて、みどり色で、自分たちの問題はその場その場で、政府や会社、両親のせいにしないで、自分で繋いで変えていく世界をみんな面白がって、そこらじゅうで地球や社会を作っていけたら、楽しいんじゃないかって思う。」

―なるほど、一人ひとりの存在を大切にする社会って素敵ですよね。ありがとうございました!

気さくで、とっても話しやすい井上先生。
公開授業の疲れ一つ見せず、インタビューの質問にとても丁寧にご回答して頂きました。

本当にありがとうございました!

*****
NHK 地球ドキュメントミッションのウェブサイトはこちら

今回撮影した「ケニア― 一通の手紙がつなぐ命と心」は、7月25日に、放送時間を59分に拡大して放送されました!

どうぞご覧くださいませ。

地球ドキュメント ミッション
NHK BShi(日)21:00~  翌(水)8:00~
BS2  翌(月)23:00~  翌(金)15:00










テレビ「ニュースの深層」―立ち上がるビルマの女性たち―収録レポート!①2010/07/27 14:10

 こんにちは、インターンの奥村です。土井さんが毎週水曜日キャスターを担当されている朝日ニュースター「ニュースの深層」は21日(水)、「立ち上がるビルマの女性たち」と題し、ビルマにおける女性の人権問題を取り上げました。見逃してしまった方のために、今回はこの収録レポートを2回にわたってお送りします!


 このブログでもすでに何度か紹介したビルマ国際法廷土井さんは専門家証人として出廷しました。昨日の「ニュースの深層」は、強制労働の被害者としてこの法廷の証言台に立ったマプセインさんと、法廷を共済したビルマ女性連盟の理事ティンティンアウンさんをゲストに迎えて、お話を伺いました。


 まず、上の写真はマプセインです。番組ではまず御自分の経験を話して下さいました。ビルマ・ラカイン州のラカイン族出身であるマプセインさんには4人のお子さんがいましたが、1988年の民主化闘争で活動した旦那様が失踪してしまい、それ以来一人で一家を支えてきました。しかし、ビルマ軍はラカイン州の新しい海軍基地に続く道路建設のため、マプセインさんの村の一家から一人ずつ働きに出るよう命令を下します。彼女はやむなく、無給で2週間に一度しか帰宅を許されないという悪条件の下、強制労働に従事させられました。もともと不安があった健康状態はいっそう悪化。ついにこのような苦境から逃れるため、1991年末っ子を連れて国外に脱出しました。マプセインさんは御自分の経験に加え、強制労働の際、軍にレイプされた同僚がいたことも証言してくださいました。

 壮絶なマプセインさんのお話から、ビルマの実情に驚愕し、なんとかしなければいけないと思う視聴者は多いのではないでしょうか。
 上は本番前の一枚。次回はティンティンアウンさんのお話を中心にお伝えします。

朝日ニュースター 「ニュースの深層
月曜~金曜 夜8:00~8:55
http://asahi-newstar.com/web/22_shinsou/?cat=18


「ニュースの深層」―立ち上がるビルマの女性たち―収録レポート!②2010/07/28 10:36

 「ニュースの深層」―立ち上がるビルマの女性たち―の収録レポート第二回目は、もう一人のゲスト、ティンティンアウンさん(下の写真右)のお話を中心にお伝えします。

                            (写真:楽屋での打ち合わせ)

 6月のビルマ国際法廷の共催団体だったビルマ女性連盟で理事を務めていらっしゃるのがティンティンアウンさんです。ビルマ国内で活動していくには弾圧が厳しすぎるため、国外でビルマ人女性のネットワークを組み、人権侵害の状況を国際社会に訴えてきました。

                    (写真:土井さんと議論するマプセインさん)

 ティンティンアウンさんによれば、マプセインさんが経験したような強制労働はビルマ全土で起こっており、軍の荷運びをさせられることも多いとのこと。また、従軍する女性が性的暴力に遭うケースもあるそうです。

 インタビューではさらに、ビルマ国際法廷が勧告した国連の独立事実調査団設立についても話されました。ティンティンアウンさんらが日本政府からの支持を得ようと外務省を訪れた際、担当官はよく話を聞いてくれたものの、あくまで「注意深く見ていく」と述べるにとどまりまり、具体的に支援する姿勢はなかったそうです。土井さんはこれに対し、日本政府はこれまで何年も「注意深く見る」という姿勢を続けてきており、今後も継続していくのだろうかと、疑問を投げかけていました。

                            (写真:収録後、スタジオで)

 番組でマプセインさんのお話を聞き、ビルマの状況をなんとか打開することはできないのかと考える方も多いかと思います。ところがこの問題、ビルマ政府が頑なな態度をとり続けてきたことや、ASEANや欧米諸国による対応の足並みがそろわなかったことなどから、長い間難航してきました。たとえば、国連の独立事実調査団設立はHRWも提言してきましたが、安全保障理事会の中国やロシアが反対する可能性があり、実現させるのは容易ではないとHRWビルマ調査員のDavid Scottも言っています。しかし、欧州議会が賛成の決議を出しており、オーストラリアなども賛成しているのは、前向きな一歩。しかし日本も賛成しないようでは実現はおぼつかないままです。日本を含め、世界各国が国連の調査を支持するよう、世界中の市民が自分の政府の動向をチェックしてみる必要があるのではないでしょうか。日本の方針が今後どうなるか、私も注目していきます!

朝日ニュースター 「ニュースの深層
月曜~金曜 夜8:00~8:55
http://asahi-newstar.com/web/22_shinsou/?cat=18

秀英予備校のインタビューうけました!2010/07/29 10:16

インターンの栗本です。

7月5日、土井さんのインタビューのため、秀英予備校代表取締役社長の渡辺武様が、担当者とカメラマンの方を伴ってオフィスにいらっしゃいました。

朝日新聞で土井さんに関する記事をご覧になり、是非土井さんにお会いしたいと、本社がある静岡から御足労頂き、本当にありがとうございました!


インタビューは子どもの頃の土井さんのお話から始まり、勉強の大切さ、そしてもちろん人権に関してのお話等、とても内容の濃いインタビューでした。

土井さんの著書「“ようこそ”と言える日本へ」をお読みになられ、
土井さんのお話にとっても真剣に耳を傾けていらっしゃいました。




“人間、一番喜びを感じるのは、自分ではなく、他の人に何か喜んでもらえた時。喜ばせることができるようになるためには、やはり知識や学力が必要。より多くの知識や学力を持っていると、人々により大きな喜びを与える可能性が広がる。”

と、勉強の大切さをしばしお話された、渡辺社長。
勉強=喜びを与える力という考え、とても素敵です。





ところで、インタビューの記事に載せる写真を撮っていたカメラマンさん。
写真を撮ると・・・



なんと、撮った瞬間、パソコンに写真が映し出されるんです。
しかも、何枚も!パソコンの中に香苗さんがいっぱいいます!!






インタビューは、ヒューマン・ライツ・ウォッチの活動、世界から見た日本、そして世界的人権ムーヴメントへとお話は広がっていきました。渡辺社長は、これらについて、土井さんに様々な質問を投げかけていらっしゃいました。

というのも、秀英予備校の教育理念の一つは:
勉学を通してグローバル社会において自立できる力を養うこと

ビジネスに加え、環境や国際協力などの様々な分野で、世界に通用する人材を育てる重要性を再確認されていました。

渡辺社長には、現在の公教育の問題、塾の需要増加、オンライン授業などなど、今後の塾業界の展望についてもお話して頂き、とても勉強になりました。

このインタビューは、秀英予備校で小中学部に通塾する児童・生徒さんと保護者さん向けに発行されているニュースペーパー“Shuei.com”で紹介されます。下の新聞の表紙が、次号は・・・




香苗さんのガッツポーズ!




最後に、香苗さんと渡辺社長のツーショット。




ちなみに次号は10月中旬に発行されるそうです。

秀英予備校小中学部に通う児童・生徒さんとその保護者さんを合わせると約9万人だそうです。
香苗さんの記事を読んで、1人でも多くの人に、世界で起きている人道危機について知ってもらえればいいなと思います。また、秀英予備校から、グローバルに活躍できる多くの子供たちが輩出されといいですね。

渡辺社長、ありがとうございました!

死刑執行 抗議 会見に参加しました2010/07/30 00:00

インターンの櫻井です。

 

本日2010年7月28日(水)、

前回の死刑執行からちょうど一年が経った日に、

法務省は2人の死刑を執行を発表。

千葉景子法相による執行命令は初めてのこと。

 

その死刑執行に対して抗議するとして、

亀井静香議員を会長とする『死刑廃止を促進する議員連盟』による、

緊急声明の会見が行われたので、行ってきました。

 



同連盟の事務局長の村越祐民議員(http://www.hirotami.jp/)、土肥隆一議員(http://www.d-wa.co.jp/doi/)、アムネスティ・インターナショナル日本、死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90の方々が各々抗議声明を読み上げました。

 

死刑廃止を促進する議員連盟が今日発表した「死刑の執行に抗議する」緊急声明はこちらです。http://blog.hirotami.jp/article/39863870.html 

 

今日の会見では、次々と意見が発表されました。一部紹介します。

 

2名に死刑執行したことに、強い怒りと無念の気持ちを表明します。

死刑は国家による殺人行為であり、いかなる場合も認められるべきではない。これは、人類が長い歴史の中で幾多の犠牲を払って遂にかちえた貴重な教訓に基づく思想ですであり、地域・国家の別を問わない普遍の原理です。

 

昨年死刑執行が行われたのは、18カ国でした。世界の約7割の国は死刑を廃止しています。

 

刑場の公開、死刑制度の存続の是非を巡る抜本的で本質的な国民的議論が始められると思った矢先に、不意打ちのような形で今回の死刑執行が行われたことに、強い失念を禁じえません。

 

1993年には5件が再審査を破棄しました。これは、全体の9%にあたります。そして、2000年には24件が上告ないし上訴を破棄し、これは全体の21%にあたります。本年度から導入された裁判員制度によって、より控訴はしにくくなるでしょう。

 

千葉大臣は、死刑廃止論者として、就任後、死刑について論議の場を設けるべきとしていた、法務省内には「執行を経験すべきだ」との意見が強かった。今後は死刑などの刑罰論議が加速する可能性がある。

 

 

 

 

千葉大臣が会見で言われた、勉強会に関しては、「死刑執行をしながら、勉強会をやるなどとは本末転倒である」との意見が多くあげられていました。

 

最後に死刑執行を言い渡された尾形秀紀氏が、フォーラム90が行ったアンケートに回答したときの言葉を紹介します。

 

「なんて奴だとおもうでしょうが、死刑判決で死をもって償えというのは、俺にとって反省する必要がないから死ねということです。人は将来があるからこそ、自分の行いを反省し、繰り返さないようにするのではないでしょうか。将来のない死刑因は反省など無意味です。」

 

ヒューマン・ライツ・ウォッチも、死刑は、残虐で非人道的な性質の刑罰であり、いかなる場合でも行なわれるべきではないという立場です。

 

最近のプレスリリースの例はこちら:

 

イラン:反体制派の処刑 「自白するまで拷問」

http://www.hrw.org/ja/news/2010/05/11-3



死刑執行 外国からの批判2010/07/30 10:22

千葉法務大臣が執行を命令し、28日、2名に死刑が執行されました。

死刑が執行されるごとに、外国からも批判の声が。一部紹介します。

EUから
-Statement by High Representative Catherine Ashton on the death penalty in Japan:
http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cms_Data/docs/pressdata/EN/foraff/116068.pdf
(original version)

アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)から
http://www.amnesty.org/en/news-and-updates/japan-executions-two-men-condemned-2010-07-28

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、死刑は、残虐で非人道的な性質の刑罰であり、いかなる場合でも行なわれるべきではないという立場です。

たとえば、最近のヒューマン・ライツ・ウォッチの死刑関係のプレスリリースの例はこちら:

イラン:反体制派の処刑 「自白するまで拷問」
http://www.hrw.org/ja/news/2010/05/11-3