NY発:ビルマ政治囚釈放署名イベントの報告(その2)2010/07/15 08:58


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日本の皆さん、こんにちは。前回に引き続き、ニューヨークで6月22日(火)に行われた、ビルマ政治囚署名イベントの報告をしたいと思います。途中までお伝えしていたオープニング・セレモニーの様子ですが、今回はこのセレモニーの最後にスピーチをした、ビルマ人活動家のニーニーアウンさん(下写真・中央)のお話からです。


実はこの朝、近くのホテルに滞在するニーニーさんを会場にお連れする役を仰せつかっていました。そして、わずか15分ほどの道のりの間、彼の最近のビルマへの帰郷についての体験をじかに聞く機会に、思いもかけず恵まれました…

ニーニーさんは人生の半分以上を、ビルマの民主化運動に捧げてきた人です。1994年に難民として米国市民権を取得した後も、変わることなくビルマの人びとの支援を続けていたニーニーさんは、軍事政権への署名を携えて、刑務所に収監されている家族と再開するために、2009年9月ビルマの地に再び降り立ったところで逮捕されてしまいます。もちろん、米国パスポートと適切なビザを持っていました。その後は、拷問の日々が2010年3月に釈放されるまで続きました。

朝お会いした時に、英語の決まり文句で「How are you?」と聞いたら、「さっき痛み止めを飲んだから、そう悪くないよ」と答えたニーニーさん。3年間、いすに座らされ続けての拷問の中、唯一の休息は気を失うことだったとスピーチでも言っていました。ロビーにビルマの伝統衣装のサロンをまとって現れた時、急いでいたので「素敵ですね」と言いそびれたのですが、実はこの青色のサロン、囚人服だったということも後にスピーチで知りました(ほめなくてよかった…大汗)。

ニーニーさん自身は、ヒューマン・ライツ・ウォッチの釈放キャンペーンや国務省の働きかけが効を奏して、再び米国に戻ってくることができましたが、病身のお母様はじめ、いとこ2人がビルマ刑務所に拘禁されたままです。この日のスピーチでも、これらの体験談を交えながら、ビルマで起こっていることに注意を払い、できることから行動を起こしてほしいと力強く訴えていました。

…と、こんな風に書くと、どこか泣き節の演歌調に聞こえますが、実は不思議なほど前向きで、なんと言うか強い希望のオーラを放っているニーニーさんなのです。何十年もの間、実現することのなかった祖国の民主化のために闘ってきた人の、私たちの想像を超えた強靭でしなやかな精神を思い知らされた気がしました。

「日本でも、ぜひ同じイベントを実現してほしい。僕も喜んで体験談を話すよ!がんばって」と逆にエールをいただいてしまったほど。HRW東京オフィスでは、現在このイベントを東京で実現すべく、ボランティア募集をしています。皆さんの力をお借りして、ニーニーさんの来日が実現すれば、ビルマ問題もきっともっともっと多くの人の心に響くはず!

なお、ニーニーさん釈放の詳細に関するHRWのリリース(日本語)はこちらからどうぞ。


この写真は、オープニングの後に、ビルマ僧侶の皆さんたちがペンを取って署名をしているところです。後ろに一般の皆さんの長蛇の列も見えます!早朝からこうして、署名イベントは順風満帆で発進しました。グラセンの通勤者、観光客、その他多くの皆さんに感謝感謝です。

と、全3回に分けてお送りする(つもり)のイベント報告。2回目にして語りが入り、まだ午前中の最初の方で止まってます。次回体勢を整えなおし、首尾よく最後までご報告できるか、乞うご期待!(というか、がんばります…で、次回に続く)。

※ビルマ民主化運動で「あなたができること」とは?
※ビルマの政治囚釈放キャンペーンのオンライン署名(英語)にご協力ください!
※2100 in 2010 Free Burmaキャンペーン詳細はこちら(日本語)から
※ビルマ民主化運動を担う勇敢な旗手たちのストーリーは、HRW報告書「忘れられたビルマの政治囚たち」(日本語)から。