映像特集:アフリカ「オバマ大統領へ―LRAの被害者たちからのメッセージ」①2010/12/16 14:04



こんにちは、インターンの湯村です。
HRWが制作した映像をご紹介する「映像特集」。アフリカを連載でお届けします。

神の抵抗軍(Lord's Resistance Army:LRA)をみなさま、ご存知でしょうか?ウガンダの反政府勢力であるLRAは、1987年にウガンダ北部で発足しました。市民を襲撃する武装グループであり、現在はコンゴや中央アフリカにもその活動域を広げています。LRAによる市民への被害は尋常ではありません。
2010年5月、アメリカのオバマ大統領は、LRAに関する法案に署名しました。その法案は、米国政府に対し、LRA襲撃からアフリカ中央部の民間人を保護するとともにLRAの残虐行為を終わらせるための包括的な多国間戦略を180日以内に作成するよう義務付けています。

今回の「映像特集」の連載では、オバマ大統領への更なる行動を呼びかける様々な映像をお届します。

第1回目は、アフリカのLRA問題のバックグラウンドに関しての映像(英語)です。
こちらからどうぞ。

HRW上級調査員でコンゴの専門であるアニカ・ヴァン・ウッデンバーグ(Anneke van Woudenbeg)が、LRAの背景を解説します。子どもをメンバーに取り込むために行っている強制拉致、市民への襲撃などです。オバマ大統領が2010年5月に署名した新しい法律が、LRAによる支配を終わらせるチャンスであると注目します。

アフリカに関するHRW資料はこちら(日本語英語)。


ゴードン・ブラザーズ・グループ様よりご寄付$5,000いただきました!2010/12/17 11:35

動産融資のトップグローバル企業Gordon Brothers Groupから、ヒューマン・ライツ・ウォッチあてに、活動支援のご寄付$5,000をいただきました!

 

1214日、Gordon Brothers Japan Co., Ltd.ゴードン・ブラザーズ・ジャパン)の社長の金城亜紀様より、小切手と暖かいお手紙を頂戴いたしました。

 

感謝の気持ちをこめてゴードン・ブラザーズ・ジャパンのオフィスの前でパチリ。

 

左側がゴードン・ブラザーズ・ジャパンの金城亜紀社長、そして、右側がヒューマン・ライツ・ウォッチ東京事務所のスタッフである私(土井)と吉岡です。

 

改めて、ゴードン・ブラザーズ・グループ様に御礼申し上げます!いただいたご寄付は、世界中の人びとが尊厳をもって生きられる世界に向けて大切に使わせていただきます。

 

社長の金城亜紀様には、なんと、ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京事務所が昨年立ち上がるよりも前から、様々な面でサポートをいただいて参りました。本当にありがとうございます!

 

Gordon Brothers Groupでは、会長のMichael G. Frieze氏を先頭に

たくさんのコミュニティ・サービスに参加されているそうです!そうした取り組みの一貫である"Campaign of Giving"のなかで、今年、ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京事務所に白羽の矢をたててくださいました!

 

Michael G. Frieze会長からのお手紙にも、「100年以上前に設立されたわが社の方針のひとつは、コミュニティへの還元、そして、困難の中にある人への支援です」とのお言葉。

 

ご寄付の裏にある「活動に賛同するよ」という温かい想い。活動の中で、その想いをさらに温めて「熱意」として抱き、今後も世界で起こる人権侵害の被害者の声となって、活動していきたく存じます!

 

改めまして、

 

Dear Mr. Michael G. Frieze & Mr. Aki Kinjo:

 
Thank you very much for your very warm support to Human Rights Watch Tokyo office!

 
Kanae Doi & Riyo Yoshioka

Human Rights Watch Tokyo Office
 


女優のサヘル・ローズさんと NHK地球ドキュメントMISSION年末イベントを開催!2010/12/20 11:19



12月29日(水)夕方に、NHK地球ドキュメントMISSION
上映&トークイベント 「今年も終わり!-来年のミッションは何にしよう?」 を開催!

サヘル・ローズ(イラン人女優)、土井香苗(ヒューマンライツウォッチ日本代表)
時間:12月29日(水) 18~20時 MISSION上映&トーク
場所:青山AZITO  
(東京都渋谷区渋谷2-7-9 (地図)、JR渋谷東口から徒歩7分、地下鉄表参道駅から徒歩10分)

こちらが、実際にNHKで撮影中の私(土井)とサヘル・ローズさんです!

先着30名様限り!! とてもやさしいサヘル・ローズさんとご一緒に語っていただくチャンス!です。 お早めにお申し込みください。

お申し込みは、tokyo@hrw.org まで。題名を【ミッション トークイベント 参加】としていただいたうえで、ご氏名、ご所属、(できれば)ミッションを見ての感想などお寄せください。

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地球ドキュメント MISSION」は、社会問題に取り組んでいる人たちに密着し、その人たちが立ち向かう「壁」とその「突破口」を追う番組です。堀尾正明さん、サヘル・ローズさん、私(土井)がキャスターをつとめています。

今後の放送予定は、

 20101219日(日)BS1 18:00

 2011 19日(日)BS1 18:00~ です。


今回のイベントでは、MISSIONのキャスターのサヘルさんと私(土井)でトークします!!

サヘル・ローズ(女優・タレント)
4歳の時、イランイラク戦争で家族12人全員を失う。倒壊した家のがれきの中から当時大学生ボランティアとして救援活動を行っていた現在の養母に助け出される。孤児院で過ごした後、養子となり、日本へ。赤貧の生活やいじめを乗り越え、芸能界にデビュー。親子の半生を紹介したドキュメンタリー、ホリデーにっぽん「サヘルとフローラ~イラン人親子の東京物語~」(2009年)は、大きな反響を呼んだ。

土井香苗(ヒューマンライツウォッチ日本代表)
大学3年で司法試験に合格、大学4年で、独立から間もないエリトリアに単身で渡り、法律改正委員会調査員として刑法に関するリサーチ作業に従事。帰国後、2000年に弁護士登録。難民受け入れなど人権に関わる裁判に多く関わる。2009年、人権問題の解決を目指す世界最大級のNGOヒューマンライツウォッチの日本オフィスを立ち上げ。日々、各国政府と渡り合うタフネゴシエーターである。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

映像特集:アフリカ「オバマ大統領へ―LRAの被害者たちからのメッセージ」②2010/12/21 15:13



みなさん、こんにちは。インターンの湯村です。
「オバマ大統領へ―LRAの被害者たちからのメッセージ」第2回です。今回は、被害者たちの声を集めた映像をご紹介します。

ウガンダ、コンゴ、中央アフリカで活動している、神の抵抗軍(Lord's Resistance Army:LRA)。この武装集団から被害を受ける一般市民は、恐怖の中で生活しています。いつ殺されるかわからない。少年兵になる苦痛。子どもを殺される悲しみ。レイプへの恐怖。

LRA被害者たちは、オバマ大統領に助けを求めています。その切実な訴えを、みなさまもぜひお聞きください。
映像はこちらからどうぞ。

以下、映像へのイントロダクションです。
2008年9月以来、LRAの襲撃により、2000人以上の市民が殺害され、他3000人近くが誘拐されました。ウガンダの反乱軍LRAは、コンゴ北部、中央アフリカ、スーダン南部の国境地域で活動しています。子どもを含む被害者の多くは、殴り殺され、頭蓋骨を割られ、なたで頭を切り裂かれました。誘拐された子どもたちは、自分たちの家族を殺すよう強いられています。
2010年5月24日、アメリカのオバマ大統領は、アフリカ中央部の市民をLRAの襲撃から保護するために、アメリカ政府が、包括的な多国間戦略を180日以内に作成し、暴力を恒久的に終わらせるための措置を講じるための法案に署名しました。2010年11月までに、オバマ政権は、この新しい戦略の作成を発表するよう義務付けている。
LRAの3人のリーダー、ジョセフ・コニー、オコト・オディアンボ、ドミニク・オングウェンは、北部ウガンダでの戦争犯罪容疑で、2005年7月に国際刑事裁判所(ICC)により指名手配が出されている。しかし、依然彼らは逃亡中であり、残虐行為を続けている。
LRAによる被害者たちは、オバマ大統領に、迅速かつ確固たる行動を求めている。

アフリカに関するHRW資料はこちら(日本語英語)。

映像特集:アフリカ「オバマ大統領へ―LRAの被害者達からのメッセージ」③2010/12/22 17:09


みなさま、こんにちは。インターンの湯村です。

「オバマ大統領へ―LRAの被害者達からのメッセージ」第三回目です。アフリカ中央部で、市民を襲う武装勢力、神の抵抗軍(Lord's Resistance Army:LRA)。LRA被害の様子を追ってきたフォトジャーナリストからのメッセージをお届けします。

最近、戦場カメラマンの存在が注目されていますが、現地に飛び込み、その現状を伝えようとする意思、勇気、使命感には感動させられます。Marcus Bleasdaleさんも、紛争地や人権侵害が起きている現場に行き、その様子を私達に伝えてくれているフォトジャーナリストの一人です。

10年間にわたり、コンゴなどの国々で、LRAの被害にあってきた市民達を追ってきた、彼からのメッセージ是非お聞き下さい。
映像(英語)はこちらからどうぞ。

アフリカに関するHRW資料はこちら(日本語英語)。

文庫本『世界最悪の紛争「コンゴ」』の売り上げの一部のご寄付!2010/12/28 12:38

みなさま、こんにちは。

世界最悪の紛争「コンゴ」 ;単行本(ソフトカバー)

ヒューマン・ライツ・ウォッチのブログでも以前紹介した『世界最悪の紛争「コンゴ」』(創成社)の著者米川正子さんが、このたび「コンゴ東部の人権状況を日本で伝える」ためにヒューマン・ライツ・ウォッチ東京に売り上げの一部を寄付してくださるとのこと!

私(土井)が講演させて頂く際に、ヒューマン・ライツ・ウォッチが作成したコンゴのビデオを使うことがありますが、上映した途端、会場の空気が変わり、数分のビデオでもコンゴの惨憺たる状況が皆さまに伝わることを感じます。私たちも、さらにコンゴの人権状況を伝え、人権侵害が止まるように頑張っていきますね!
米川さん、そしてご一緒に寄付してくださった知人の方、どうもありがとうございました。

まだ、お読みになっていらっしゃらない方は、是非この機会にお手に取ってみてくださいませ。

以前のブログ記事;2010年5月10日

MISSION上映&トーク大盛況でした!2010/12/31 02:10

12月29日(水)年の瀬の青山AZITOには、明るい灯が点っていました。

NHK地球ドキュメントMISSION
上映&トークイベント 「今年も終わり!-来年のミッションは何にしよう?」開催されたのです。
土井さん(左)とサヘルさん(右)

会場は満員。お越し下さった皆様、本当にありがとうございました。
そして会場をご提供くださった青山AZITO関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

ゲストはサヘル・ローズ(イラン人女優・写真右)、土井香苗(ヒューマンライツウォッチ日本代表・写真左)です。

2人は堀尾正明アナウンサーとともに、
「地球ドキュメント MISSION」は、社会問題に取り組んでいる人たちに密着し、その人たちが立ち向かう「壁」とその「突破口」を追う番組のキャスターをつとめています。
http://www.nhk.or.jp/mission/

このMISSIONの生みの親が、NHKのプロデューサー北村さんです。トークイベントの冒頭でご挨拶を頂きました。

「MISSIONは事実を報道して終わり、ではなく出演者の活動を紹介することで、実際に視聴者が支援の輪を広げ繋がっていく、類を見ない貴重な番組です。
実際に、自分に何ができるかという提案や支援の申し出が来て、放送した活動が前進している例が多くある。
おこがましいと言われるかもしれないけれど、テレビが世界をよりよいものにできる可能性を見せてくれる番組なのです。」


はじめに、会場の皆様にMISSIONをより知っていただくため、2010年12月12日に放送された「"義足革命"で途上国の人々を救う」が上映されました。
「途上国の貧しい子どもたちでも手に入れられる、安価な義足を」。
島根県の山間の小さなハイテク義肢装具メーカー「中村ブレイス」の社長、中村俊郎さん(61歳)は、通常の40分の1という超低価格を実現するという"ミッション"を掲げ、義足の開発に乗り出した・・・。

普段BS放送が見られない方々は、MISSIONを見て改めてその魅力を知った方々もいらしたようです。

イベントはサヘルさんと土井さんのトークセッションへ。

お2人の出会いは雑誌「世界」での対談でした。
「海外の報道番組では自国の事件のみならず海外で起きるニュースを幅広く報道する。しかし日本では自国の事件のみ。それを反映するのが、様々な人種がキャスターを務めている海外に比して皆日本人。
このあり方を変える第一歩として、この番組でサヘルさんがイラン人女優として初めてキャスターをつとめるきっかけとなったのです。」

サヘルさんは、自らの壮絶な経験を逃げずに受け止め、その経験ゆえに他人の苦しみに共感できる優しさを持つ方です。
イランイラク戦争の空襲で家族12人を亡くし、孤児となりました。
その後養母と日本へ渡り、いじめや養父による家庭内暴力、そして路上生活…。
これでもかと降りかかる試練。それらの出来事を、淡々と微笑みを携えて語るからこそ訴える力が増します。

サヘルさんは言いました。
「MISSIONは「気づかせてくれる」番組です。
私たちは誰もが他人の気持ちを変えることはできない。気持ちを変えるのは自分自身しかいません。でも気づくきっかけを与えることはできます。世界に対して無関心でいられない、自分にも何かできるのではないか。私たちが発信することで、そこに留まらず結果となって帰ってくる。
この番組のキャスターを務めることができ、本当に幸せに感じています。」

サヘルさんはご自分の稼いだお金を少しずつ貯金して、母国のイランに学校のような教育施設を創設することが夢です。そのためには、設備だけではなく持続可能なシステムが必要です。

「また課題はたくさんあるけれど、MISSIONを通じて様々な人々と出会い、自らのやるべきこと、道筋が見えてきた段階です。」

MISSIONは同じ志を持った人々を繋ぎ、輪を広げ、現状を変えていく確かな力を持つ番組なのです。

今夜のトークイベントも、人々を繋ぎました。
参加者の中に続々と、ご自身のMISSIONにむけて活動されている方々がいらっしゃったのです。
それは次回にお伝えします!



MISSION上映&トーク②参加者のMISSION2010/12/31 02:12

NHK地球ドキュメントMISSION
上映&トークイベントでは、会場にお集まりの皆さんの中からご自身のMISSION達成に向けて活動している方々お2人をご紹介しました。

1人目は、チャリティプロジェクトENIJE'(エニジェ)http://www.enijeproject.com の 代表
矢野デイビッドさんです。

デイビットさんがプロジェクトを起こすきっかけとなった忘れ難い出来事があります。

「20歳を過ぎてガーナへ帰国した際、首都アクラで5、6歳の少年と会いました。
「お金ちょうだい」そう言った少年は自分と瓜二つでした。
自分は偶然日本という環境で満足のいく暮らしをしているが、一歩境遇が違うだけで、貧困にあえぐ子どもが沢山いる。
この状況を何とかしたい。この経験が自分の役目として日本でプロジェクトを発足させるきっかけとなりました。」

「ガーナのストリートチルドレンが安心して寝られる養護施設と、しっかりと勉強できる学校を作り、将来は教育や技術を学べる場としても機能させたい。」
それがデイビッドさんの目標です。

デイビッドさんのオフィシャルブログはこちら→http://ameblo.jp/devid/

「イベントを通じ楽しんだ対価を、子どもに与える。それはイコール(=)で結ばれる平等の関係です。
それどころか、自分が子どもに与えた分より何倍も、子どもの笑顔が返してくれる。
子供が夢を追う力を見ることが、自分自分の活力に変わるのです。」


2人目は
慎 泰俊さん
LIVING IN PEACE(公式HP http://www.living-in-peace.org/)の代表であり、マイクロファイナンスと日本における児童養護施設の支援を行っています。
慎さんは日本の児童養護施設の現状と問題について話して下さいました。

「虐待などが理由で、親から隔離されて児童養護施設で暮らしている子どもは全国に3万人います。施設の数は570あります。
しかし資金不足と人で不足に苦しんでいるのが現実です。」

「努力すれば誰でもいい暮らしが出来る。これは一面において事実かもしれません。
しかし努力できる能力は自分の人生を肯定する感情に由来し、その根底には人間に対する信頼があるのです。
暴力や放置、性的虐待を受けた子どもは、人間に対する信頼を根底から失っています。
その回復のためには、受けた虐待と同じだけの密度と時間のケアが必要です。
しかし一番費用がかかるのが人件費。ほとんどの児童養護施設は資金に余裕がなく、親代わりとなる職員を十分に雇えていません。
職員は平均して10人以上の子どもの面倒を同時に見ています。
子どもは手厚いケアを受けられず、心の回復はなかなか進みません。」

児童養護施設での住込みをし勉強を重ねて見つけた糸口が、施設の改築です。
「児童養護施設の旧式の寮のような作りを、家庭に近い環境で子どもたちが生活できる施設に建て直すことで、心理的な安心を得られる他、現行制度の下では、補助金の額も増加します。」

「職員数不足の根本にあるのは、社会の無関心です。ただ、社会の関心を高めてそれを政策変更にまで結びつけるには、年月がかかる。
これまで、少数の富裕層がポーンと出す場合が多かった。当面の問題は解決ても、根本的な問題である社会の無関心を解決できません。
だから、より多くの人々からの寄付を募っていきたいと考えています。」

慎さんのブロはこちら↓
http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/

2回に分けてお送りしてきました、MISSIONトークイベント。
参加者の方々が、MISSIONを見たい、自分も何かできることをしたい。

そう心に誓った年の瀬の夜となりました。