「ニュースの深層」―立ち上がるビルマの女性たち―収録レポート!②2010/07/28 10:36

 「ニュースの深層」―立ち上がるビルマの女性たち―の収録レポート第二回目は、もう一人のゲスト、ティンティンアウンさん(下の写真右)のお話を中心にお伝えします。

                            (写真:楽屋での打ち合わせ)

 6月のビルマ国際法廷の共催団体だったビルマ女性連盟で理事を務めていらっしゃるのがティンティンアウンさんです。ビルマ国内で活動していくには弾圧が厳しすぎるため、国外でビルマ人女性のネットワークを組み、人権侵害の状況を国際社会に訴えてきました。

                    (写真:土井さんと議論するマプセインさん)

 ティンティンアウンさんによれば、マプセインさんが経験したような強制労働はビルマ全土で起こっており、軍の荷運びをさせられることも多いとのこと。また、従軍する女性が性的暴力に遭うケースもあるそうです。

 インタビューではさらに、ビルマ国際法廷が勧告した国連の独立事実調査団設立についても話されました。ティンティンアウンさんらが日本政府からの支持を得ようと外務省を訪れた際、担当官はよく話を聞いてくれたものの、あくまで「注意深く見ていく」と述べるにとどまりまり、具体的に支援する姿勢はなかったそうです。土井さんはこれに対し、日本政府はこれまで何年も「注意深く見る」という姿勢を続けてきており、今後も継続していくのだろうかと、疑問を投げかけていました。

                            (写真:収録後、スタジオで)

 番組でマプセインさんのお話を聞き、ビルマの状況をなんとか打開することはできないのかと考える方も多いかと思います。ところがこの問題、ビルマ政府が頑なな態度をとり続けてきたことや、ASEANや欧米諸国による対応の足並みがそろわなかったことなどから、長い間難航してきました。たとえば、国連の独立事実調査団設立はHRWも提言してきましたが、安全保障理事会の中国やロシアが反対する可能性があり、実現させるのは容易ではないとHRWビルマ調査員のDavid Scottも言っています。しかし、欧州議会が賛成の決議を出しており、オーストラリアなども賛成しているのは、前向きな一歩。しかし日本も賛成しないようでは実現はおぼつかないままです。日本を含め、世界各国が国連の調査を支持するよう、世界中の市民が自分の政府の動向をチェックしてみる必要があるのではないでしょうか。日本の方針が今後どうなるか、私も注目していきます!

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