ナタリアの死2009/12/18 13:35


私(土井)は、風[KAZE]というウェブマガジンでインタビュー連載をしております。

その最新号「第9回チェチェン問題をめぐって暗殺が横行するロシア」 が掲載になりました。 


ヒューマン・ライツ・ウォッチのために、チェチェンの調査をしてくれていた著名な人権活動家ナタリア・エステミロワさんが、今年7月15日、チェチェンの自宅前で拉致され、その後射殺体となって発見されました。

上の報告書は、ナタリアさんの遺作となった報告書。ロシア政府とチェチェン政府が、チェチェンの武装勢力の家族とみなすや、家を焼き討ちにし、家族もろとも事実上処罰するという蛮行が繰り広げられている実態を明らかにした「子どもの罪は親の罪」という報告書です。

今回のKAZEでは、人権活動家やジャーナリストの暗殺が続くロシアの現状と、危険のなかでHRWがどのように活動しているのかをお知らせしています。

こちらは、「消された息子たち」というHRWの最新のチェチェン報告書。チェチェンで横行する超法規的な処刑、拷問、拉致・強制失踪の実態などを明らかにしています。

また、来年4月には、HRWのモスクワ事務所の副所長タニヤ・ロクシナと、著名な独立系新聞ノーヴァヤ・ガゼータのチェチェン担当記者エレナ・ミラシナさんに来日してもらい、チャリティ・ディナーで一般向けに話をしてもらったり、日本政府にブリーフィングをしてもらう予定です。

これまで8回も、いろいろな地域の人権状況をとりあげていますので、ぜひご覧くださいませ。