HRWのワシントン代表トムさん講演「オバマ政権の人権外交政策とその課題」2009/12/17 16:31

こんにちは!今、ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィスでインターンをしている伊藤&山﨑です。

Natsuko & Miki

127日、ヒューマン・ライツ・ウォッチのワシントンディレクター、トム・マリノフスキーさんが東京事務所にいらっしゃいました(トムさんについての紹介はこちらから。

国外のヒューマン・ライツ・ウォッチ事務局の方にお会いするのは二人とも初めてだったので、この団体の規模の大きさを改めて実感した経験となりました!


インターンである私たち二人は、トムさんが
128日に行ったふたつの講演のお手伝いをさせていただいたので、その内容報告をしたいと思います!


ひとつは、日本国際問題研究所
でのセミナー、「オバマ政権の人権外交政策とその課題。どうも、会員の方なら、オンラインで講演を聞けるみたいです!トムさん以前のスピーカーたちは、ルース大使やアルメニア外務大臣だったんですね。すごい… 

同じ日に、東京アメリカンセンターでも講演されたトムさん。タフだなあ…

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トムさんの講演の概要 (写真は、東京アメリカンセンターのもの)
トムさん

注:理解できた限りで書いていますので、残念ながら正確性は保証できません。ごめんなさい!正確な理解をされたい方は、日本国際問題研究所のオリジナルをお聞きくださいませ。

<国際的な人権問題について>

私(トムさん)が始めて人権問題を意識したのは出身地ポーランドででした。まだ幼稚園児だったので、人権問題という言葉こそ知らなかったものの、自由な選挙や民主主義がない母国を見て、「何かがおかしい」という意識は強く持っていました。6歳のときにアメリカにわたりました。

この仕事をしておりますので、ビルマの人々や北朝鮮の難民などから、心の痛む経験談を聞く機会があります。これらの人々は、自分たちの「人権」が侵害されているということまでははっきり認識していなくても、自らが置かれている状況は間違っている、とわかっています。

また、現在では食品安全問題、環境問題、過激な原理主義、難民など、世界各国で日常生活を脅かす人権問題が存在しています。こうした問題を解決するためにも、人権は不可欠です。例えば、中国では、報道の自由がないために食品安全の問題が早期に解決されずに国境をこえました。中東諸国などでも、暴力的な原理主義にシンパシーを抱いている人はごく少数ですが、表現の自由がなければ、平和を求める中道的な声が大衆に共有されることは極めて困難です。
トムさん

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アメリカでは、ブッシュ政権の時代、自ら拷問を行なうなど、残念な行動をとりました。オバマ大統領は、アメリカのより伝統的な外交、すなわち、より謙虚な外交に修正し、グアンタナモ米軍基地の閉鎖、法の支配のなかでのテロの防止、「対話」政策などを導入したのです。

しかし、修正するときには、修正し「すぎる」という問題がおきるときもあります。先だってのオバマ大統領の中国訪問の際などには、中国に配慮しすぎたのではないかと思っています。もっと、人権についてしっかり取り上げたほうがよかったでしょう。
 
しかし、一般にいって、「対話」政策とはいっても、「対話」といってもソフトな面ばかりではなく、対ビルマの経済制裁などはそのまま続いています。来年の総選挙が公正におこなわれなければ対ビルマ制裁が強化されることも十分考えられます。

日本の政府はどうでしょう。日本の外交はもっと積極的になるべきです。グローバルな人権侵害を解決するために、アメ(=ODA政府開発援助を与えるという外交)だけでなく、ときには、ムチもつかうようにすべきだと申し上げたいと思います。日本政府も、ビルマやスリランカなどの政府に対して、より強いメッセージを送る必要があります。
トムさん

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おおむね、こんなかんじでトムさんは講演されました。(しつこいですが、私たちが理解できたかぎりでは、ということですが。。)


まだまだ人権問題について初心者の私たち二人にとって、最前線で活動されているトムさんの講演は非常に刺激的なものでした。


講演をされた翌々日には、もう、リビアに旅立っていかれたトムさん。
リビア:真実と法の正義は待てないという報告書をリビアでリリースするためでした。リビアでのプレスコンフェレンスは画期的!だったのですが、治安機関に中断されたようで大変だったみたい・・・

またトムさんの講演を聞く機会が訪れることを祈っています!