「ニュースの深層」:ユネスコがアフリカの独裁者を讃える!?ー本番編2010/10/12 11:24

こんにちは、インターンの小田です。
9月8日放送のニュースの深層、テーマは「赤道ギニア」についてでした。ゲストは、明治学院大学の勝俣誠先生
(控室での打ち合わせ。写真左が勝俣先生。)

勝俣先生は、アフリカ(特に西アフリカ)のエキスパート!!岩波新書の「アフリカ入門」などの著作があります。本番のテレビのテロップを見て、「あっ!あの本を書いた先生だったの!?」と驚いていました。

番組内容は、「赤道ギニアのオビアン大統領」について。
赤道ギニアは、中部アフリカに属する小さな国です。1990年代までは、カカオやコーヒー豆が中心産業の国でしたが、石油が産出されてから、アメリカなどの先進国(ブッシュ大統領はホワイトハウスにオビアン大統領を招待しました)が石油の利権を求めて接近しています。

ヒューマンライツウォッチも赤道ギニアについて、10月5日に最新のプレスリリースを出しています。
そして、赤道ギニアの経済成長率は、石油産出後目を見張るほどですが、まったく国民に還元されず、未だに飢餓や水不足に悩まされています。

今回のテーマ「ユネスコ、オビアン賞」についてはヒューマン・ライつ・ウォッチの過去のブログやニュースリリースでも紹介しております。詳しくは、2010/5/21のブログ2010/06/14のブログをご覧下さい。

勝俣先生は、有名なユネスコ憲章の前文「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」という言葉を引用され、お金を出せば賞を作れるのか? 原理原則がある国の国民として、日本人は「声をあげられない人々が何を言いたいのか、考えてみる。おかしいことはおかしい、と言えるときに言う」ことが私たちの仕事である。と仰いました。
日本から遠く離れた赤道ギニアですが、遠い、近い、だけでなく「原理原則」を考えることが必要だな、と感じました。

以下に、ヒューマン・ライツ・ウォッチが出しているニュースリリースのリンクを貼っております。どうぞ、皆様、これを機に赤道ギニアで起こっていることについて考えてみてください!!

「誰も助けてはくれない」 ウガンダの女性障がい者たちの声2010/10/13 09:47

今年8月にヒューマン・ライツ・ウォッチの「ウガンダ:女性の障がい者 壁と人権侵害に阻まれて」の記事でお伝えしたとおり、ウガンダ北部では障害を持つ女性たちが差別や性暴力に直面し、苦しんでいます。

 

紛争後の復興事業の影で、ポリオなどの病気や、20年以上にわたった紛争ゆえに地雷などが原因で障がいをもって生きることになった多くの女性たちが、ひどい差別を受けながらも、忘れられた存在となっているのです。

 

 ヒューマン・ライツ・ウォッチのウェブサイトに、「No One Knows Us」という特集が組まれています。今日はその特集の内容をご紹介しながら、ウガンダで差別に苦しむ障がいを持った女性たちにスポットを当てていきたいと思います。

 

 

北ウガンダの小さな村に住むフィルダさんは、紛争で、夫と息子、そして左足を失いました。片足だけで、5人の子どもの面倒を見ながら、畑仕事をしても家族を支えることができないフィルダさん。「私のように障がいをもった女性が生きていることを、誰も知らない。政府は何もしてくれない。この村では、私は完全に忘れられた存在」と言います。

7人の子どもを持つこの女性は、手漕ぎの自転車で生活しています。障がいを持つ女性は性暴力の対象になりやすく、彼女も常にHIV感染におびえながら暮らしています。 

 

 

両足を失ったこの女性は、ある夜家で寝ていたら、突然誰かが入ってきて、ひどい性暴力を受けました。「誰も助けに来てくれなかった。相手の男を知っている。あの男は逮捕されたけど、一日で釈放されたわ。」 



紛争中に、神の抵抗軍(Lord's Resistance ArmyLRA)によって両目をえぐられ、腕を焼かれて唇を切られたこの女性は、目がまったく見えません。

 

 

 同じく神の抵抗軍によって暴行を受けたこの女性。鼻と耳と、上唇を切り取られ、耳がよく聞こえません。

 


 
  これらの障がいを持つ女性たちは、「無駄飯食い」と家族からも見放され、肩身の狭い生活を強いられています。また、これらの女性たちが抵抗できないのをいいことに、性暴力のターゲットにする犯罪者が後を絶ちません。
HIV感染におびえながら、継続的な差別に苦しみながら暮らしているウガンダ北部の障害を持つ女性たちの様子を、この特集は鮮明に伝えています。


  ヒューマン・ライツ・ウォッチの障がい者の権利アドボカシー兼調査担当シャンサ・ラウ・バリガは、こう言っています。「ウガンダ北部で長きにわたり続いた紛争の間も紛争後も、語られていないことがいくつかある。そのひとつが、障がいのある女性と少女が孤独のなかで無視され、彼女たちの人権が侵害されている実態だ」。「ウガンダ北部の人びとが生活再建に向け奮闘している今、政府と人道援助機関は、障がいを持つ女性たちが取り残されることがないようにする必要がある。」

 

興味のある方は、こちらもお読みください。

日本語の記事

英語の特集記事

(報告書 73ページ、英語 「『人として扱ってほしい』:ウガンダ北部における障がいを持つ女性への差別と暴力」

 


朝日新聞ウェブロンザ(Web RONZA)に掲載されました!2010/10/14 15:43

asahi.comWebROMZA(ウェブロンザ)内の「Web RONZA+ 」、
10月13日の注目の記事に私(土井)の論説が掲載されております!

先日、ノーベル平和賞に輝いた劉暁波氏について、「劉氏のノーベル平和賞受賞を中国の民主化の端緒に」というテーマで寄稿しております。

今回のノーベル平和賞について、ノーベル賞選考委員会は、中国について世界中の多くの人が目をつぶっている現実に光を当てたとても意義のあることだと思っています。

有料のウェブマガジンのページとなっておりますが、購読をされていらっしゃらなくても、途中までお読みいただけます。
記事はこちらです。

どうぞ皆様、ご覧下さいませ。

One day on earth2010/10/14 18:02

みなさん、こんにちは。

 

インターンの櫻井直輝です。

 

現在Human Rights Watchでは、one day on earth projectに参加しております。

http://www.onedayonearth.org/

 

これは、2010/10/10に今世界で起こっていること、日々問題・課題に感じられることや、自分が世界に対して伝えたいことを、いろいろなメディアを使って、伝えるというものです。

かなり多くの世界中の方々が投稿しています!

 

それを見た世界中の人々が助け合い、その問題に取り組んでサステイナブルな世界にしていくというプロジェクトです。

 

皆様も自分が発信したい問題・課題があれば、是非投稿してみてください!

そして、一度でいいのでサイトをご覧ください。

 

Human Rights Watchでも、”What Makes Us Human?”(我々の人間らしさとはなにからもたらされるか)との問いかけに、個人個人がビデオメッセージを作って、サイトに投稿してもらうよう呼びかけています。

 

http://www.onedayonearth.org/group/humanrightswatch

 

みなさんなら、この問いかけに、どのように答えますか?

ニュースの深層:「進むか 取調べの全面可視化」本番編2010/10/15 11:04

こんにちは、インターンの湯村です!

左から 前田真里アナ、香苗さん、今野東先生

今回のニュースの深層は、参議院民主党の今野東先生をゲストにお迎えし、取調べの全面可視化について取上げました。

厚生労働省元局長の村木さんの事件依頼、取調べの可視化に注目が集まっています。
検察や警察による取調べの実態、そして今後どうなっていくべきなのか。取調べの可視化を実現する議院連盟副会長である今野先生と、司法修習生時代に検事の現場にいた香苗さんの熱い議論が繰り広げられました!

放送の中でも紹介された『司法修習生が見た裁判のウラ側―修習生もびっくり!司法の現場から』も、是非呼んでみてください。司法修習生たちが語る司法の現場。香苗さんも証言者の一人だそうです。

元アナウンサーで落語家でもある今野先生は、お話しするのがとても上手く、今回のニュースの深層は、特に面白い回となりました!!
お見逃しの方、再放送の日時はこちらから。

そして、今野先生は、難民問題に積極的に取り組まれている先生でもあります!
難民チャリティー寄席を今年も行います。
仙台公演 11月20日(土)午後7時開演 仙台市民会館小ホール
東京公演 12月16日(木)17日(金)午後7時公演 紀尾井小ホール
詳しくは、今野先生のホームページをご覧ください。

では、次回のニュースの深層も是非ご覧下さい!!

Art ×HRW2010/10/18 12:00

 

こんにちは、インターンの湯村です。

アートセッションのお知らせです!

 

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ホワイトシップとHRWのコラボレーション!!

 

ホワイトシップが行っているVision Workshop

描くことを通して、「対話」「表現」「発見」していきます。

 

今回は、ヒューマン・ライツ・ウォッチとのコラボレーションで、

「人権」をテーマにします。

 

言葉ではないコミュニケーションであるアート。

描くことで、言葉以上の多くの対話が生まれます。

自分との、他者との対話により、気づきに繋がります。

 

アートを通して「人権」について考えてみませんか?

 

 

 

日時:12月7日() 19:0022:30

場所:詳細が決まり次第ご連絡いたします。

費用:15000円(学生1万円)

定員:1~2名 埋まり次第締め切らせて頂きます。

 

参加をご希望の方は、tokyo@hrw.orgまでご連絡ください。

皆様のご参加を心よりお待ちしております!


ニュースの深層 「現代日本:冤罪は晴れるのか?」2010/10/18 12:23

こんにちは。インターンの小田です。

9月22日放送のニュースの深層は、「郵便不正事件村木局長無罪確定」のニュースに合わせて、「冤罪弁護士」(旬報社)の著者でもいらっしゃる弁護士の今村核先生がゲストでした!!

(写真左から3番目が今村先生)
有罪率99パーセントの日本では、一度容疑をかけられると無罪を勝ち取ることは非常に難しいことだそうです。

さて、番組の前半では、村木厚子さんの主任弁護人でいらっしゃる、弘中淳一郎先生との電話中継がありました!

弘中先生は、主任検察官の改ざんについて、「恐ろしい、と思った。証拠は真実だと信じていましたから。」とコメント。

今回の件の弁護で困難だったことは?という質問に対して、
「上村さんが警察の調書に書いてあるようなことを言うのか、ひっくり返してくれるのか。石井さんの調書がない。 ということ。さらに、調書が村木さんに大変不利だったことです」とのご返答でした。

有罪と無罪の分かれ目はなんだったのか?という質問に対しては、
・6月1日付けのフロッピーのプロパティが残っていたこと
・石井さんの手帳が発見されたこと
・上村さんの被疑者ノートの記述
 ということでした。ただ、「被疑者ノート」(弁護士が依頼人に、任意で渡して、取調べの内容などなんでも書いてもらうものです。)は、証拠には採用されなかったそうです。

また、フロッピーの改ざんについては、村木さん側では、分かっていなかったそうです.

次に、今村先生との対談へ。

まず、証拠の取り扱いについてですが、証拠品は、検察官が独占し、一番都合の良いものだけを出すそうです。

また文芸春秋で、上村さんが「パズルのピースを完成させるピースに使われた」という旨のコメントから、日本は自白調書中心の捜査が行われているというお話をされました。
さらに、任意同行は朝7:00から夜22:00から23:00まで行われるそうで、この様に長時間の拘束から怖くなり、「やった」と言ってしまうそう。これで帰してもらえると思うと、次は「どの様にやったのか?」という追求が始まります。
警察にとって、「やった」というのは自白ではなく「どのようにやったか」が自白だそうです。そして、「冤罪の被害者はやっていないのだから、「どの様に」ということには答えられません。しかし、答えられないと警察は「供述を渋っている」と思うのです。」と今村先生。

警察は、根拠なく、一度被疑者を前にしたら絶対にこの人が犯人だ!と思ってしまう人もいる反面、無実と分かって「落としている(冤罪被害者を真犯人に仕立てること)人もいるという驚きのコメントもありました。
また、今村先生が弁護された被疑者も含めて多くの人が、「供述をまじめに聞いてくれない。壁に向かって話している様。」と言うそうです。



刑事訴訟法では、無罪の推定が定められていますし、刑法の大原則として「疑わしきは罰せず」というものがあります。真実を追究するための、捜査、取調べ、裁判であるという本来の趣旨に立ち戻る。さらに、その一環として、取り調べの全面可視化が切実だと思いましたし、もし冤罪で捕まってしまったらどうなってしまうの!?と、途方もない恐ろしさを感じました。
用意されていた質問が半分以上残るほど充実した番組でした!!!

エレナ・ミラシナさん on itunes2010/10/19 13:41

こんにちは、インターンの湯村です。

4月に行われたエレナ・ミラシナさん(ロシアの独立系新聞ノーヴァヤ・ガゼータ紙記者)の講演会がitunesで公開になりました!

4月にHRWはエレナさんを日本にお招きしました。明治大学でも講演会「チェチェンの現状 そして 暗殺と隣り合わせのロシアのメディア」を行い、その模様がitunesで公開されます。

講演会の告知ブログ:http://hrw.asablo.jp/blog/2010/04/02/4990254

エレナさんが来日したときの様子は以下のバックナンバーをどうぞご覧下さい。
来日インターン日記:http://hrw.asablo.jp/blog/2010/04/27/5046455http://hrw.asablo.jp/blog/2010/04/29/5049849
ニュースの深層:http://hrw.asablo.jp/blog/2010/04/27/5046455
毎日新聞:http://hrw.asablo.jp/blog/2010/05/13/5083559

また、エレナさんは、今年もHRWの「アリソン・デフォージュ人権活動家賞 」を授賞しました!!詳しくはこちらのニュースをご覧下さい。

ノーベル平和賞に中国の作家で人権活動家・劉暁波氏2010/10/20 20:34

ノルウェーのノーベル賞委員会は8日、2010年のノーベル平和賞を、「中国における人権のため、長年にわたり非暴力的闘争を行っている功績」があったとして、中国で服役中の民主活動家・劉暁波氏(54)に授与すると発表しました


20091225日、北京の裁判所は、劉氏に懲役11年の実刑判決を宣告しました。劉氏には、中国における法の支配と人権尊重を求める「08憲章」を起草するとともに、これを広めたとして「国家転覆煽動罪」の容疑がかけられました。08憲章は、人権、民主主義、そして法の支配を、中国の政治体制の核心にすべきと提言したインターネット上の申立です。当初、人権活動家や法律活動家を含む303名の中国人が08憲章に署名。その後も、インターネットを通じて広まり、現在は何千名もが署名をしています。劉氏は、2009623日に正式に拘束されましたが、それ以前の2008128日から、拘束・隔離され続けています。

 この賞は中国の人権状況を再度国際的な議論の俎上に戻すことになります。そして、中国政府を激怒させることは間違いありません。しかし、それ以上に中国政府がいやなのは、多くの中国国民が劉暁波氏について検索し、08憲章を読むことなのです。このノーベル賞は、劉氏の人権と民主主義に向けた断固たる活動を称賛するだけでなく、中国政府が国民にアカウンタビリティある政府となるよう日々闘うすべての中国人たちをも称賛する賞といえるでしょう。


劉氏の逮捕は政治的動機に基づくものであるとともに、拘禁の条件は公正と適正手続についての最低基準を満たしませんでした。大学で文学を教えていた劉氏は、19896月天安門事件の後拘束され、約2年間を刑務所で過ごしました。その後、200812月、中国法により保障されている最低限の手続きにも違反し、同氏は拘禁されました。これを受けて、ノーベル賞受賞者たちを含む著名な有識者たちが、中国の胡錦濤国家主席に対し、劉氏の解放を求める公開書簡を送ったのです。これには、日本人知識人も署名しています。


劉氏の投獄は、2008年の北京五輪前から中国政府が強化している政治弾圧の一環といえます。以来、中国政府は、根拠のない国家機密関連罪や国家転覆関連罪で、著名な反体制派たちを長期間にわたり投獄しています。それ以外にも、メディアやインターネットの制約を拡大したり、弁護士や人権活動家、NGOへの統制も強化しています。2007年初頭以来、中国政府は、ウイグル民族やチベット民族に対しても統制を強化しました。恣意的拘禁や強制失踪は、新疆やチベット双方で増加。そして、「闇監獄」として知られている秘密拘禁施設での違法な市民の拘禁も引き続き行なわれています。


中国がこれだけ大国となった今、多くの国の政府が、中国の暗部に声をあげることに及び腰になっています。ノーベル賞選考委員会は、中国について世界中の多くの人が目をつぶっている現実に光を当てたのです。中国政府が隠したい現実―――人権活動家、弁護士、ジャーナリストなどを迫害し続けている現実です。劉暁波氏は、普遍的価値を非暴力の手段により表現するとともに権力に真実をもって対峙するという彼の信念から逸脱したことはありません。ノーベル平和賞の理念を具現化しているといっていいでしょう。


劉暁波氏は即刻釈放されるべきです。それとともに、胡佳(Hu Jia)氏、高智晟(Gao Zhisheng)氏、譚作人(Tan Zuoren)氏、黄気(Huang Qi)氏など、他にも拘束中あるいは「失踪」させられている活動家も釈放されるべきです。劉氏は、最も有名な獄中知識人ですが、その他にも、中国政府を批判したため、劉氏と同じような苦しみ----あるいはより厳しい苦しみ----の中にある中国の人びとは数多いことを忘れることはできません。


 中国政府は、劉暁波氏を政府の敵とするのはもうやめるべきです。ノーベル賞選考委員会と同様、中国の至高の行動と知識を体現する人物であると認めるべきなのです。



 


ニュースの深層「弾圧を超えて発信する中国の言論人」打合せ編2010/10/21 13:24

こんにちは、インターンの湯村です。

10月13日㈬放送のニュースの深層の打ち合わせに同席しました。
左から 北井大輔さん、王進忠さん、香苗さん、大塚ディレクター

今回は、「弾圧を超えて発信する中国の言論人」と題し、ゲストに北井大輔さん(アムネスティインターナショナル・日本)と王進忠さん(自由アジア放送東京特派員)をお迎えします。

2010年ノーベル平和賞が、劉暁波氏(中国で服役中の民主活動家)に授与されると発表されたことによって、中国の言論の自由や報道の自由に今注目が集まっています。中国の人権や報道の実情に精通していらっしゃるお二人に、中国の現状を聞きます!

放送時間は、
10月13日㈬ 午後8:00~8:55 朝日ニュースター

皆様、どうぞご覧ください!!