芸術か犯罪か?ウズベキスタンの人びとのくらし(その2)2010/03/08 18:56

前回に引き続き、ウズベキスタンの写真家であり映像作家でもある、ウミダ・アーメドワさんの写真をご紹介します。

「ウズベキスタン国民の名誉を毀損し侮辱した」罪で有罪判決を受けたウミダさん。アーティストの「表現の自由」の発露である作品が、国家によって規制される――それは、残念ながらめずらしいことではありません。弾圧される理由は本当にさまざまです。

ウズベキスタン--あまりきいたことがない国かもしれませんが、2005年のアンディジャンの虐殺事件をはじめとして、人権抑圧の厳しい国で、アーティストやジャーナリストなどの表現の自由は厳しく制限されています。

百聞は一見にしかず――故意にウズベキスタンの貧しい部分を強調し、国民をおとしめたと糾弾されたウミダさんの写真の数々から感じたこと…ぜひご感想をお聞かせください!


写真は、嫁ぐ日に泣きながら父と抱き合う娘の姿です。ウズベキスタン政府は、西洋では晴れの日に花嫁が泣いたりしない(?)から、この写真を見て欧米人は、かの地では娘が強制的に結婚させらるため悲しんでいると思うだろうと言います。

でも、親元を離れて嫁ぐ時にあふれ出る悲喜こもごもの感情と涙を、とても自然なことに思うのは欧米人も同じはず!!

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これらの写真を見た人間は、「なぜ人は、哀しみと苦しみだけの世界に生まれ出るのだろう」と考えるに違いない、これがウズベキスタン政府の評価の一つでした。

老女の顔は、確かに厳しい現実の世界を映し出しているかもしれません。それがかえって、芸術によるメッセージがいかに力強いものとなり得るのか、その可能性を体現しているとも言えるのではないでしょうか。

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ウズベキスタンでは、女性が日々の生計を立てるために仕事に追われている一方で、男性は賭け事や遊びにうつつを抜かしている――二つの写真はそんなコントラストを強調する作品と政府によって評されました。
                                  All Photos (c) Umida Ahmedova

日本政府は、ウズベキスタンをはじめとする中央アジアへの進出を進めています。ビジネスや投資、インフラ支援などのみならず、人権の保護も推し進めてもらいたいものです。

次回は、シリーズ最終回をお届けしますのでお楽しみに!

ウミダさんに関するヒューマン・ライツ・ウォッチの関連リリースはこちら
http://www.hrw.org/ja/news/2010/01/28-1

コメント

_ ウミシダ ― 2010/03/10 01:13

いきなりのコメントをお許し下さい。
ウミシダと名乗っております(ウミダさんと似ているのは偶然です)

私は人権には詳しくないのですか、言論の自由の重要性は
理解しているつもりです。

流れる水は腐らぬとの言葉が有りますが、
逆に言えば流れる事を止めた水は腐ると言う事です。

言論の自由の無い社会は腐り果てます。

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