芸術か犯罪か?ウズベキスタンの人びとのくらし(最終回) ― 2010/03/15 15:25
最終回の今回も、ウズベキスタンの写真家であり、映像作家でもあるウミダ・アーメドワさんの写真をご紹介します。
アーティストの「表現の自由」の発露である作品が、国家によって規制される――それは残念ながら、世界でもめずらしいことではありません。
百聞は一見にしかず――故意にウズベキスタンの貧しい部分を強調し、国民をおとしめたと有罪判決を受けたウミダさんの作品の数々から感じたこと…ぜひお聞かせください!
アーティストの「表現の自由」の発露である作品が、国家によって規制される――それは残念ながら、世界でもめずらしいことではありません。
百聞は一見にしかず――故意にウズベキスタンの貧しい部分を強調し、国民をおとしめたと有罪判決を受けたウミダさんの作品の数々から感じたこと…ぜひお聞かせください!
上の写真は記念碑のそばで眠り込む浮浪者の姿です。
これは年老いた路上生活者の女性が、物乞いをしている写真。これらは、ウズベキスタン政府が、「写真家は“こういったもの”を故意に撮っている」と糾弾した作品の例です。ウミダさんの罪は、ウズベキスタンの日々の現実のすがたを鋭く、鮮やかに切り取ったことだったのでしょうか。
最後にご紹介するのは、ウズベキスタンの子どもたちの笑顔です。
ウズベキスタン政府は、ウミダさんの写真集『男と女: 日没から夜明け』を、悲観的なムードにあふれ、人生がいかに醜悪なものかを示したものだと評しました。欧米人はこれらの写真をみて、人びとは中世さながらの生活を送っていると思う、と。
大きなつぼの中に入ってふざけてみせる子どもたちの無邪気さに、まず人生の醜さを連想する人がいるのだろうか?と、思わず考え込んでしまいます。政府の専門家たちは、さぞかし頭をひねって「侮辱理由」を考え出したに違いありません。
「表現の自由」が犯罪とされる時、その理由の多くは「それにより他の人間の権利を侵害した、傷つけた」です。今回は、ウズベキスタンの国民がその犠牲者となった、というのが政府の主張だったわけです。
子どもたちの屈託のないまなざしを芸術対象にするという犯罪とはいったい何か?――これからもヒューマン・ライツ・ウォッチはこのようなケースに声を上げていきます。
All Photos (c) Umida Ahmedova
ウミダさんに関するヒューマン・ライツ・ウォッチの関連リリースはこちら
http://www.hrw.org/ja/news/2010/01/28-1
ウズベキスタン政府は、ウミダさんの写真集『男と女: 日没から夜明け』を、悲観的なムードにあふれ、人生がいかに醜悪なものかを示したものだと評しました。欧米人はこれらの写真をみて、人びとは中世さながらの生活を送っていると思う、と。
大きなつぼの中に入ってふざけてみせる子どもたちの無邪気さに、まず人生の醜さを連想する人がいるのだろうか?と、思わず考え込んでしまいます。政府の専門家たちは、さぞかし頭をひねって「侮辱理由」を考え出したに違いありません。
「表現の自由」が犯罪とされる時、その理由の多くは「それにより他の人間の権利を侵害した、傷つけた」です。今回は、ウズベキスタンの国民がその犠牲者となった、というのが政府の主張だったわけです。
子どもたちの屈託のないまなざしを芸術対象にするという犯罪とはいったい何か?――これからもヒューマン・ライツ・ウォッチはこのようなケースに声を上げていきます。
All Photos (c) Umida Ahmedova
ウミダさんに関するヒューマン・ライツ・ウォッチの関連リリースはこちら
http://www.hrw.org/ja/news/2010/01/28-1