【シンポジウムを開催しました】すべての赤ちゃんが家族と暮らせる社会をどう作る? --千葉県の乳児院新設問題を考える--2015/11/26 10:46

皆さん、こんにちは!
Human Rights Watchインターンの高橋です。

今週11月23日(月・祝)14:00より千葉県の千葉県教育会館にて
「すべての赤ちゃんが家族と暮らせる社会をどう作る? --千葉県の乳児院新設問題を考える--」と題し、シンポジウムを開催いたしました。

ご参加いただいた皆様、ご足労いただき大変ありがとうございました。心より感謝申し上げます。
おかげさまで、当日ご参加を決めてくださった方もいらっしゃったようで、想定していた以上に多く方がご参加してくださり、用意していた資料もすべてなくなってしまうなど、私共としましては嬉しい誤算でありました。(資料をお渡しできなかった皆様には大変ご迷惑をおかけしました。)
以下、シンポジウムの様子でございます。

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このシンポジウムは、千葉県で乳児院が公募され、新設されようとしている問題について基調講演とパネルディスカッションの二部構成で行われました。

1.基調講演:  
◎矢満田篤二氏 (社会福祉士、元愛知県児童相談所職員)
  「赤ちゃんを乳児院に入れるべきでない多くの理由  - 愛ある家族をつくる 養子縁組・愛知方式の経験から - 」

基調講演では、矢満田先生がこれまで愛知県で手掛けてこられた愛知方式による特別養子縁組の経験についてのお話や、テレビでの特別養子縁組家族に対する取材映像の上映などが行われ、赤ちゃんが乳幼児の頃から家族の中で暮らすことの大切さを語っていただきました。

2.パネルディスカッション: 「赤ちゃんを家庭で育てる  - 乳児院以外の選択肢を考える- 」
パネリスト:
◎矢満田篤二氏
◎吉成麻子様(千葉県 養育里親)
◎ホッブス美香様(東京都 養育里親、ファミリーホーム「トリニティホーム」ホーム長)
◎木ノ内博道様 (全国里親会 副会長)
◎村上直美様(特別養子縁組 養親)
◎高橋恵里子様(日本財団福祉特別事業チーム チームリーダー)
モデレーター: 
◎土井香苗(ヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本代表)

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パネルディスカッションでは、パネリストの皆様にそれぞれの経験や立場から乳児院で乳幼児を養育することに対する問題について、ご意見を述べていただきました。
内容としては、乳児院で育ち家族の中で養育されなかった子どもには愛着障害になってしまう子どもが多くみられることや、乳児院での養育が一人当たり年間700万円近くかかってしまうのに対し里親委託であれば150万円ほどで済むためコストの面でも里親委託は優れていることなど、乳児院を新設してしまうことがいかに問題であるかということをお話して頂きました。

ご参加頂いた皆様にも里親委託を推進していくことの大切さがご理解いただけたのではないでしょうか。

シンポジウムが終わり帰り際に、乳児院新設反対の署名をしたい、とおっしゃっていただいた方も多数いらっしゃいました。誠にありがとうございます。
また後日署名の準備が整い次第、ご参加頂いた皆様には次第メールでご連絡させて頂きますので、もう少々お待ち頂ければと思います。こちらのブログでも署名について再度ご連絡させていただきますので、度々チェックしていただければ幸いでございます。

今後ともヒューマン・ライツ・ウォッチは全ての赤ちゃんが家族と暮せる社会を目指し、活動を続けて参ります。どうぞ応援よろしくお願いいたします。


※ヒューマン・ライツ・ウォッチが過去に行った社会的養護に関する調査に関しての詳細は以下のリンクをご覧ください。