ウェブロンザ掲載:艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏逮捕に、外国政府は毅然とした対応を2011/05/24 16:14

2011年04月12日. 土井香苗著

中東や北アフリカで3ヶ月間にわたり起きている大規模な民衆デモ。中国で起きた大規模な民衆蜂起は1989年の天安門事件まで遡る。天安門事件で党崩壊寸前を体験した共産党は、以来、社会運動に万全の防御体制をとるようになった。

 そして、チュニジアとエジプトでの革命を見習おうと「中国版ジャスミン革命」がインターネット上で呼びかけられた2月半ば以降、共産党は極めて迅速に強烈とも言うべき対応を続けている。政府批判や平和的な社会運動を理由に、中国政府によって逮捕、失踪、自宅軟禁、尋問のための召喚、逮捕すると脅迫をされた人の数は、この2ヶ月間で200人以上にのぼる。

その象徴とも言える人物が、2011年4月2日の朝、香港行きの飛行機に乗ろうと北京空港に出向いた際に逮捕された著名な芸術家、艾未未(Ai Weiwei、アイ・ウェイウェイ)氏であろう。日本でも、2009年に六本木の森美術館でアイ・ウェイ・ウェイ展(http://www.mori.art.museum/contents/aiweiwei/)が開催されるなど、ファンが多い。

 氏はその政府に対する厳しい批判で知られるが、氏の逮捕に対する中国内外の強い関心にもかかわらず、中国政府は、艾氏拘禁の場所や逮捕の理由を開示することを拒否したままだ。

 さて、これまで数え切れないほどの中国「専門家」たちが、東アジアの大国たる中国で中東のような抗議活動が起こる可能性がはるかに少ない、と力説してきた。中東では失業率が上昇し経済が停滞している一方で、例えば、多くの中国人は20年間の、徐々にではあるが大幅な生活改善を経験している、などと。

 しかし、中国政府の一連の強烈とも言うべき反応を見た多くの人は、中国共産党の指導者たちはなぜここまで国の不安定性へのリスクに不安を感じ被害妄想的ですらあるのか、疑問を抱いた。中国政府がこれほど容易に、明らかに行き過ぎた措置に頼る理由には、真の安定性に対する自信がないこと、そして共産党に支配政党としての正当性が基本的に欠如していることがあろう。さもなくば、ここまで過敏に対応する必要性を感じるはずはない。

続きは・・・
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011041100010.html

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