衆議院議員の柿沢先生が国連調査委員会に対する質問主意書を提出してくださいました2012/06/25 10:10

インターンの山田です。

みんなの党・政策調査会副会長の衆議院議員の柿沢未途先生が、5月25日付けで「国連における北朝鮮人権状況決議に『事実調査委員会』の設置を盛り込むことに関する質問主意書」を提出してくださいました。

5月17日に「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合(ICNK)」のメンバーが柿沢先生を訪問をさせていただき、国連調査委員会設置の期待される効果に対してご意見を伺った後にご提出いただいたものです。

質問してくださったのは主に5項目で、具体的な内容は拉致問題や北朝鮮国内の人権侵害、国連事実調査委員会設置(Commission of
Inquiry)への日本政府の姿勢を問うものや、欧州議会が2010年7月8日に事実調査委員会の設置を求める決議を行っていることに対する日本政府の評価に関する内容です。

こちらの質問主意書に対する答弁書には、北朝鮮の人権侵害に対して問題解決のための効果的な方法を総合的に検討していくといった日本政府の考えが述べられていました。
(質問主意書と答弁書の全文は本ブログ記事下部に記載させていただきます)

柿沢先生のおかげで、日本政府の姿勢を伺うこともできました。北朝鮮国内で苦しむ多くの北朝鮮国民、そして日本人の保護に向けて、日本政府が調査委員会設立を支持すると表明するまでがんばって参りたいと思います。柿沢先生にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

柿沢先生
公式ホームページ http://www.310kakizawa.jp/
twitter https://twitter.com/#!/310kakizawa
ブログ http://ameblo.jp/tesio/




「国連における北朝鮮人権状況決議に「事実調査委員会」の設置を盛り込む事に関する質問主意書」全文はこちら


 北朝鮮による拉致問題が未解決であり、また北朝鮮国内において組織的な人権侵害、食料不足による人道問題が恒常的に生じている。

 こうした状況に鑑み、日本政府はEUとともに、国連において、北朝鮮に全ての人の人権と基本的自由の尊重、拉致被害者の即時帰国と問題解決等を求める北朝鮮人権状況決議の国連総会本会議への共同提出者となり、また7年連続で決議が賛成多数で採択されるにあたり主導的な役割を果たしている。

 国連人権理事会においても、拉致問題を含む北朝鮮の様々な人権侵害に深い懸念を表明し、北朝鮮人権状況特別報告者の任期を一年延長する等を内容とする北朝鮮人権状況決議が5年連続で採択されており、日本政府はEUとともに共同提出者として、本年3月には決議の無投票採択を実現したところである。

 こうした中においても、北朝鮮が拉致問題の解決を含めた人権状況の改善に具体的な行動を見せているようには見受けられない。国連の前北朝鮮人権状況特別報告者であるウィティット・ムンタボーン氏もその最終報告書において「北朝鮮における人権を促進、保護するため、国連のあらゆる組織を総動員する事」を国際社会に要請している。
 
そこで以下、質問する。

一 北朝鮮に関する年次国連決議の共同提出者であるEUにおいては、欧州議会が、北朝鮮の人権侵害について調査するとともに、それが人道に関する罪に該当するかを検証する「国連事実調査委員会(UN Commission of Inquiry)」の設置を求める決議を平成22(2010)年7月8日に行なっている。この欧州議会決議についての日本政府の評価如何。

二 人権侵害に関する「国連事実調査委員会」が設置された先例があれば示されたい。

三 過去の事例に照らして、北朝鮮の拉致問題を含む様々な人権侵害の深刻さの程度を日本政府はどのように考えているか。

四 北朝鮮の人権侵害について「国連事実調査委員会」の設置が必要であると日本政府も考えているか。

五 国連総会及び人権理事会における年次の北朝鮮人権状況決議に、「国連事実調査委員会」の設置の文言を盛り込むべきと考えるが日本政府の見解如何。

 右質問する。

衆議院ホームページ
第180回国会 質問の一覧より
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a180265.htm




「衆議院議員柿澤未途君提出国連における北朝鮮人権状況決議に「事実調査委員会」の設置を盛り込む事に関する質問に対する答弁書」全文はこちら

一について

欧州議会が平成二十二年七月八日に採択した御指摘の決議は、主として北朝鮮に対して拉致問題の早期解決、人権侵害の停止等を求めており、この点については、欧州議会から北朝鮮に対して人権侵害の状況の改善を求める明確な考えを示したものとして評価している。一方、同決議においては、欧州連合に対して北朝鮮における人権侵害の状況に関する国際連合による調査委員会の設立を支援することを要請しているが、この点については、欧州議会から欧州連合に対する要請であり、我が国として評価を行う立場にない。なお、一般論としては、北朝鮮による人権侵害については、いかなる方法が問題解決のために効果的かという観点から対処していくことが重要であると考えている。


二について

お尋ねの「国連事実調査委員会」が何を指すのかは必ずしも明らかではないが、国際連合人権理事会決議に基づいて、リビア及びシリアにおける人権侵害に関する調査委員会がそれぞれ設置された例がある。


三について

北朝鮮による拉致問題は我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、政府の最重要課題の一つと位置付け、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現等に向けて取り組んでいるところである。また、国際連合人権理事会がその決議に基づき設置した北朝鮮人権状況特別報告者(以下「特別報告者」という。)の報告書並びに国際連合総会及び国際連合人権理事会がそれぞれ採択している北朝鮮人権状況決議において、これまでに繰り返し、拉致問題を含む北朝鮮による広範な人権侵害が指摘され、深刻な懸念が表明されているところであり、我が国としてもこうした懸念を共有している。


四及び五について

拉致問題を始めとする北朝鮮による人権侵害に関しては、いかなる方法が問題解決のために効果的かという観点から対処していくことが重要であると考えているが、お尋ねのように、国際連合による調査委員会を設置することや、その旨を北朝鮮人権状況決議において言及することについては、北朝鮮が、特別報告者の受入れを拒否していることから、北朝鮮が当該調査委員会の受入れに協力することが期待できないという点も十分踏まえ、総合的に判断する必要があると考えている。