宇都宮大学 公開セミナー「アフリカの将来を問う―開発と人権確立をいかに両立させるか?」-エチオピアにおける開発と人権の矛盾を例に―(PART 3)2011/07/23 04:25

皆さん、こんにちは。インターンの渡邊です。今回は75日に行われました宇都宮大学の公開セミナーについての最終号をお送りします。

 

次は、ディスカッションと質疑応答です。国際学部の学生の方々7名が、実際に分厚いベンさんの報告書「自由なき開発」をグループ毎に分担してすべて読破されていたことを伺い、驚きと感激を覚えました。質問の中には、「この報告書に対して世界銀行など大きな組織はどのような反応をしめすのか」、「日本の援助はそれを必要とする人に届いているのか」、「理想的な開発とは」、「援助と飢餓について」、「今のエチオピアではどのような教育が求められているか」、「開発と多国籍企業、ストリートチルドレンについて」など多岐に及び、学生の方々の関心の高さが伺えました。

 

        この日本語のポスターがとても気に入り、米川先生より譲り

        受けて本国まで持ち帰られたベンさんでした!


私たちに何ができるのか、という問いに対して、ベンさんたちは「自分たちで国会議員に手紙を書き、例えば『日本はエチオピアに巨額の援助を提供しているが、この報告書の人権に関する提言をどう思うか』などと質問をするといいです。あるいはエチオピアの人々とコミュニケーションをとることです」と述べていました。

 

そして「理想的な開発は?」という質問に対して、「理想的な開発などない。どこの国の開発も問題を抱えている。そこの国民が本当に何を必要としているのか、じっと耳を傾け、どの人々が本当にこの国を代表しているのか見極めること。自分のアイデアばかり提示せず、むしろ謙虚に、ゆっくりと、静かに耳を傾けることが大切!」というお話でした。

 

宇都宮大学の学生の方々から英語でたくさんの質問が寄せられ、ベンさんとヨセフさんは新幹線乗車ぎりぎりまで熱心に答えられていました。帰りの新幹線で、ヨセフさんとベンさんは、宇都宮大学の学生さんがとてもよく事前勉強をされ、熱心に質問をしてくれたのがとても嬉しかった、と語っていたのがとても印象的でした。



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