本日パリで会議開催:オビアン賞ストップに向けたモメンタムが高まっています! ― 2010/06/15 14:34
こんにちは。土井香苗です。
昨日のブログでもお伝えした、 赤道ギニアの独裁者オビアン大統領の名を冠した、ユネスコの「オビアン賞」。この賞についての協議が、ついに本日、パリのユネスコ本部で開催されます。
この協議を前に、オビアン賞の中止を求める声が、世界中でどんどん大きくなっています。6月11日にも新たに、少なくとも4通の抗議書簡がユネスコ本部に送られました。
これまでに反対を表明してきたのは、以下のような人びとです:
- ユネスコで最も権威のある賞、ユネスコ /ギョレモ・カノ世界報道自由賞は、勇気あるジャーナリストに贈られる賞ですが、その受賞者7名(国籍は、チリ、中国、キューバ、メキシコ、シリア、スリランカ、そしてジンバブエ)が、この賞に反対する共同書簡をユネスコ事務局長に送りました。彼らは、「赤道ギニアにおける厳しい圧政」と「大統領によるメディア弾圧」に特に言及しています。
- 赤道ギニアから亡命した弁護士が設立した人権NGO「赤道ギニアに公正を」(EG Justice)は、表彰の中止を求めて、40カ国から約250の署名を集めました。
- 約70カ国の170以上の反汚職団体から成る国際グループも、「ユネスコ・オビアン賞」撤廃に向けた措置を求める書簡を国連事務総長の潘基文氏に送付したのです。この中で、「賞の創設と、結果としてもたらされるオビアン氏擁護は、国連精神とその原則、並びにユネスコ本来の存在意義を根本的に覆すものである」と述べています。
- フィリピンの人権委員会委員長も、同国の外務大臣に宛てた書簡で、「ユネスコが謳う人権精神に反する『ユネスコ・オビアン賞』を阻止すべく、緊急の措置を取る」よう求めました。
このように、今年1月以来、全7大陸、アフリカの30数カ国を含む100カ国以上から、数百の団体や個人が「ユネスコ・オビアン賞」に反対の意を表明してきました。
政府だって例外ではありません。これまでに、カナダ、フランス、イギリスを含む数カ国が同賞を公けに批判しており、今日のパリ・ユネスコでの情報会合では、更に多くの国がこれに続くと期待されているのです。
今日、日本政府は、どのような行動をとるのでしょうか。
世界中で同賞を批判している人びとは、赤道ギニアにおける深刻な人権状況への懸念と、同国国民の援護を表明してきています。オビアン政権下で、一般市民は豊かな国益の恩恵を受けておらず、教育や科学研究へのアクセスも極端に制限されてしまっているのです。
これに対して、赤道ギニア政府も黙っているわけではありません。
6月11日、同政府は、同賞に対する批判を非難する声明を発表しました。その中で、「今回、議論を巻き起こしたのは、アフリカの大統領がこのような賞を贈りうるのだということを認めたくない、植民地主義者、差別主義者、人種差別主義者、偏見主義者であると確信している」と述べています。(スペイン語による声明の原文は、同国情報省のウェブサイトに掲載されています)
では、誰がこの賞を取り消すことができるのでしょうか?
その権限を持っているのは、ユネスコの執行理事会。そして、日本政府はその副議長です。
今日こそ日本政府は、パリの会議ではっきりと、オビアン賞の撤回への支持を表明し、赤道ギニアの人びとが真の豊かさを享受できるよう、世界中の仲間と立ち上がってもらいたいものです。