「ユネスコ・オビアン賞」、15日にユネスコ本部で会議 ― 2010/06/14 15:19
こんにちは、インターンの湯村です。
「ユネスコ・オビアン賞」の最新の動きです!
赤道ギニアのオビアン大統領
「ユネスコ・オビアン賞」は、赤道ギニアのオビアン大統領が資金提供し、彼の名前が付けられている賞です。正式名称は、「オビアン・ンゲマ・ムバソゴ生命科学研究国際賞」。表向きは、「すべての人間の生活の質を向上させる科学進歩に捧げられる」ということになっています。
しかし!
この賞は、通称「独裁者」賞と呼ばれています。なぜかというと、オビアン大統領は、国の富を掌握し、国民は厳しい貧困状態にあるからです。また、経済権や社会権、表現の自由や結社の自由、などが制限されてます。複数政党や政府批判も認められていない状態です。恣意的拘束や拷問も横行しています。赤道ギニアでは、深刻な人権侵害が起きているのです。詳しくは、2010/5/21のブログをご覧下さい。
今月末、この「ユネスコ・オビアン賞」の授与式が行われるか否か、世界中で議論が飛び交っています。1月以来、100カ国以上から、数百の団体や個人が「ユネスコ・オビアン賞」に反対する表明を出しました。また、カナダ、フランス、イギリスなどの政府も非難し始めています。
賞に対し多くの批判が浴びせられている中、ユネスコは6月15日にパリ本部で会議を開くことになりました。
一方、オビアン大統領は、「人間の生命保持の解決法を見つけるための科学研究を支えることを目的に、ユネスコの賞に資金を提供したのだ」という内容を述べています。また、赤道ギニア政府は、「この賞に反対する人々は、アフリカの大統領がこのような賞を贈ることを認めようとしない、植民地主義者、差別主義者、人種差別主義者、アイデンティティへの偏見を持つ人々である」という内容の主張をしています。オビアン大統領の議論はYouTubeでも見られます。
HRWは・・・
赤道ギニア政府の解釈に反対し、「ユネスコ・オビアン賞」の中止を訴えています。各メディアを通し、各国政府に働きかけていきます。新しい情報が入り次第、リリースを発表していきます。皆様もどうぞご注目ください!
赤道ギニアは、地球上最悪の乳幼児死亡率の国です。しかも、10年前よりその数値は上がっています。この統計が、赤道ギニアの現状を物語っているのではないでしょうか。「ユネスコ・オビアン賞」に関するリリースはこちら
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