セミナー「LGBTと職場:課題と今後」 ご報告2 後半2012/10/02 11:59

ブログをご覧のみなさま、こんにちは!
インターンの浅野です。

今回も、日本IBM様で行われたセミナー「LGBTと職場:課題と今後」の様子のご報告です。細かく分けてご報告する形になってしまいましたが、今セミナーに関しては今回のアップがラストです!!!

さて、第2部のもうお一方のスピーカーは、ボリス・ディトリッヒ(Boris Dittrich)氏です。ボリス氏はHRW LGBT部門のディレクターで、世界に先駆けてオランダで同性婚を認める法律を作成した方でもあります。

ボリス氏のスピーチの題名は、「今日の世界におけるLGBT課題の動向」というものでした。

国連加盟国193か国中、同性愛が有罪となるのは、なんと81か国です。うち、5か国は、死刑を課しています。同性婚を認める法律があるオランダでも、LGBTに対する差別は根強いです。オランダでも、LGBTの若者40%がカミングアウトしていません。

現在、ウガンダでは、LGBTに対して死刑を課す法案が議会に提出されています。HRWは大きな懸念をもち、国際的企業に呼びかけてウガンダ政府に法案を可決させないように圧力をかけてもらっています。その一つが、IBMです。その甲斐あって、この法案はまだ可決されていません。

5年前は、国連でさえLGBTの問題を議論しませんでした。ところが、今は、国連総長の潘 基文氏が、2012年3月国連でLGBTに関してスピーチするまでになりました。(その時のビデオが、9月14日のブログにアップされています。http://hrw.asablo.jp/blog/2012/08/26/6554542ぜひ、ご覧ください。)
今でこそ、彼は、アフリカ含むあらゆる国でLGBTに関してスピークアウトしていますが、ボリス氏が最初にLGBTの話題に触れたときは、あまり積極的ではなかったそうです。しかし、多くの国でLGBT当事者が傷つけられていること、時には命まで奪われていることを話すうちに、LGBT Right = Human Right であるという認識に変化していったそうです。



私は、国連総長までもが、LGBTに関して消極的であったことに驚くとともに、いかに長い間この話題が避けられていたかを感じました。しかし、同時に、こつこつと対話を続ければ、いつか理解される日がくるよい例ではないでしょうか。

Time has come.  時は来たれり。  (潘 基文氏スピーチより)
まさに、今が、LGBTフレンドリーに向けて動き出す時期です。



浅野 知美




潘 基文 国連事務総長スピーチ:「LGBT差別・暴力の抑止」2012/10/02 17:27

ブログをご覧の皆様。

こんにちは、インターンの木村です。

今回は、以前のブログでも扱いました潘 基文国連事務総長による「LGBTへの差別・暴力の抑止」についてのスピーチをご紹介いたします。

潘 基文国連事務総長によるLGBT差別反対のスピーチ動画“The Time Has Come”

LGBTの方々が直面している困難な問題は、早急に解決されるべきものです。
国連加盟193ヶ国中、81ヶ国ではLGBTであることが罪であるとされ、うち5ヶ国では死刑が課される場合があります。
またイスラム圏のように、宗教的要因で同性愛を禁じている地域や、同性愛を禁じている国にも程度に差があるなど、形態も様々です。
LGBT当事者について言えば、自己を過小評価する傾向が強いことが多く、国によっては自殺の要因になっているケースが存在します。

このような状況の中、LGBT問題に対して国連事務総長自ら声を上げたことは、解決へ向けた大きな前進です。
LGBTの問題について、是非考えてみて下さい。