遠山清彦議員の国会での質問 (人道問題:シリア、北朝鮮)2012/08/03 18:30

遠山清彦議員
土井香苗です。

この方は、衆議院議員の遠山清彦先生(公明党、http://www.toyamakiyohiko.com/)。
ヒューマンライツウォッチに入る前の弁護士時代から、難民保護などでご支援くださった議員のおひとりです。

さて、先週7月25日、衆議院外務委員会で遠山清彦衆議院議員(公明党)が玄葉外務大臣が、シリアと北朝鮮の人道・人権問題について、それぞれ10分程度、質問をしてくださいました。

==まとめ===

●2:24のあたりから、シリアについて。

ビデオ
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42016&media_type=fp

遠山議員:市民の犠牲が続くシリアについて、ICC(国際刑事裁判所)へ付託しようとスイス政府が賛同国を集めている。まだ日本は賛成していない。賛成しては?

玄葉大臣の回答は:
「はじめて国会で指摘された」。「現実的見込み」などを考えながら、「何か効果的なのか総合的に判断します」

●2:31あたりから、北朝鮮について。

ビデオ
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42016&media_type=fp

遠山議員:北朝鮮についての国連・人道犯罪調査委員会の設立に賛成してはどうか?拉致は国際刑事裁判所規程の「強制失踪」の「人道に対する罪」に該当する。
毎年採択されている国連での人権決議。次回の決議案には「調査委員会」を設立するという1パラグラフを入れて、EUと共同提案しては?

玄葉大臣の回答は:
国内に調査のために入ることを北朝鮮政府が了解しないだろう。北朝鮮政府も協力しそうにない。「何か効果的か踏まえ」「総合的に判断したい」
1パラグラフ入れることは「初めての提案ですし、検討させていただけますか」

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遠山先生、重要な指摘・質問を本当にどうもありがとうございました!!!

北朝鮮:

以前ブログ(http://hrw.asablo.jp/blog/2011/09/24/6109212)でも紹介したとおり、北朝鮮については、国連・人道犯罪調査委員会の設置を求めるICNKという世界的なNGOネットワークも動いています。日本政府が賛成することがキーになります。

日本政府には、1パラグラフ入れれば設立できるこの委員会の設立を真剣に検討していただきたいです。

北朝鮮が協力しなくても調査・捜査できることはたくさんあります。北朝鮮で今も苦しんでいる被害者のために、一刻も早く、できることしていく必要があると思います。

シリア:

被害者のために、一刻も早く・・・という思いはシリアも同じ。

ICCへの付託の「現実的見込み」をあげるためにこそ、まさに、日本がこれに賛同するなど、世界に賛成の輪を広げてロシアや中国が拒否権発動できないような世界世論を作らないとなりません。

それは不可能ではありません。これ以上の犠牲者を少しでも減らすため、日本政府が断固とした原理原則にのっとった行動を一刻も早くとってくれればと願っています。