ニュースの深層:「児童労働 インド綿花農場の実態」 ― 2011/06/16 12:21

今回のテーマは、児童労働。岩附さんは、世界の子どもを児童朗から守るNGOであるACEの代表で、『わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて』の著者の一人でもあり、日本で児童労働に関して活動している第一人者です。
「児童労働」は、働いて良い年齢(15歳)以下で学校に行かずに働いていること、16・17歳でも子どもが就いてはいけない仕事(危険等の理由)に就いていることを指すのだそうです。この児童労働に携わっている子どもが世界には2億1500万人います。これは、世界の子どもの7人に1人です。
その具体的な例として、インドのコットン産業について詳しく聞きました。インド全国にコットン産業に従事している子どもは40万人以上いるのだそうです。インド国内でも課題となっているこの問題を、ACEは現地に入り調査することから始めました。
農薬・炎天下での作業・長時間労働など、コットン産業は子どもにとって危険かつ劣悪な環境の仕事です。しかしなぜ子どもが雇われているのかと言うと、大人より賃金が安い・子どもの従順さの利用・家族の貧困・教育の重要性の認識不足などがあります。特に、インドでは女の子がダウリー(結婚持参金)のためにお金を稼がなければならない環境にいるのです。
インドのコットン生産量は世界2位。日本も多く輸入しています。私たちの身近にあるコットン製品も、インドの児童労働によるものである可能性が少なくないようです。
需要と供給の両方があり、構造として成り立ってしまっているこの児童労働をなくすことができると岩附さんは言います。「子どもが働く以外の選択肢をつくること」が重要なのです。
ACEの一つの活動に、正規の学校へ行く前に通えるブリッジ・スクールの運営があります。学校へ行くために必要な制服・バッグ・ノートなどを提供し、ブリッジ・スクールに来て学校という環境に慣れもらい、給食を出して親も子どもを学校に通わせやすくするなどします。ブリッジ・スクールに通っている子どもが生き生きとし、親も学校の重要性を理解できるようになるのです。その後、地域の公立校に編入してもらいます。地元主体で持続可能にするため、現地の正規の学校づくりではなく、ブリッジ・スクールを運営するとのことです。
私たちにも関わりのあるインドのコットン産業での児童労働。それをなくすために私たちにできることもあります。オーガニックコットン製品やフェアトレード製品を購入すること、ブランドに児童労働による製品ではないか問い合わせることなどです。
