レバノン:難民女性 搾取と嫌がらせの対象に2013/12/02 12:23

レバノンに逃れたシリアの難民女性が性的嫌がらせを受けています。加害者は、雇用者、家主、宗教系援助団体スタッフ、地域の人々と様々です。
度重なる嫌がらせにうつ状態となった女性もおり、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、レバノン政府による保護メカニズムの改善が必要と考えます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「学校に軍隊はいらない!」日本政府がリーダー役に積極姿勢を表明2013/12/02 13:38

国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの日本の代表の土井香苗です。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)などが進めている「学校に軍隊はいらない!」キャンペーンで大きな前進があったのでご報告します。

 

HRWは今、世界的な問題となっている学校の軍事利用を止めるためのガイドラインを策定している最中なのですが、日本政府が、このガイドラインがよりよい内容となるように前向きに関与すると明らかにしました!先週金曜日(29日)の衆議院外務委員会で、小熊慎司議員(維新の会)が質問してくださり、これに外務省の木原誠二 外務政務官が応えました。小熊慎司議員の質問内容もとてもすばらしいので、答弁のみならず質問もご注目ください。少しコミカルで笑える部分もあります。


質問中の小熊議員

安倍総理が今年9月に国連で、女性の権利を柱とする演説を行い、紛争下の女性の性的暴力などから女性の権利を守ると宣言しました。多くの女生徒たちが学校を武装部隊に占拠される中で性的暴力を受けたりすることから学校に行けなくなってしまっている現実を変えるため、日本政府がリーダーシップを発揮することに大いに期待したいと思います!

 

小熊慎司議員の質疑はこちらのビデオライブラリでご覧いただけます。小熊慎司11時00分 32分のほうをクリックしてください。学校の軍事利用を止めるガイドラインについての質疑は6分間ほどです。どうぞお楽しみください!

 

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=43291&media_type

 

【以下、質疑の要約】

 

2:23:25から

 

小熊慎司 衆議院議員:

 

安倍総理が今年9月に国連で、女性の人権を前面に出した演説をされたことを評価しています。これに関連して、教育を攻撃を守る世界連合(GCPEA:ユネスコ、ユニセフ、UNHCRなどの国連機関やヒューマン・ライツ・ウォッチやセーブ・ザ・チルドレンなどのNGOがメンバー)が作成中のガイドライン案について質問いたします。

 

2005年から2012年の間に24カ国で学校で軍事利用されているという現状があります。特に、女子生徒が特に軍事組織の性的暴力の犠牲になっています。よって、学校を攻撃から守るためのガイドライン策定を支援していくのは総理自身が国連で示した理念に合致するものであります。逆に、やらなければ言葉だけということになりかねない。ガイドライン策定を支援すべきと思います。そこでまず前提問題として、日本の自衛隊が学校を使うことはないということを確認したいと思います。

 

岸田文雄外務大臣:

 

そのようなこと(自衛隊による学校の軍事利用)は考えられないのではないかと思っています。

 

小熊慎司 衆議院議員:

 

日本では当たり前のことですが、世界の紛争地では当たり前のように学校が軍事利用されているのは本当に残念です。ガイドラインの策定過程に対して支援をしていくべきと思いますがいかがですか。

 

 

木原誠二 外務政務官:

わが国の外交の柱である人間の安全保障は、女性の人権や教育を重要視しています。武装部隊が大学や学校をいかなる形でも使用してはならないというこのガイドライン案については、依然作成途上であるということも踏まえ、どんな形式で提案されるのか、詳細が明らかになる中で、支援の可否、参加の可否を考えて参ります。

 

小熊慎司 衆議院議員:

これを見てください(ガイドライン案を手で持って示す)。ガイドライン案はもうできている。これでているのにまだ検討が必要というのは官僚の答弁として仕方がないかと思いますが、政治家の答弁としては不十分ではないですか。もう一歩の答弁を求めます。

 

【中略】

2:30:40ころ

 

小熊慎司 衆議院議員:

 

もう一歩なんですよねえ、細かな部分は検討するのは必要ですよ。でも、総理も国際的に宣言したのですから。ガイドラインが完成してから検討するという受身ではなくて、能動的に策定過程からかかわって支援するというのが、総理の国連演説を具現化することではありませんか。

 

木原誠二 外務政務官:

中身についてわが国の外交方針と齟齬するものではありません。来年4月にはノルウェーで検討会議が開催されると聞いております。残念ながらまだ正式にはご案内をいただいているわけではないのですが、ご案内をいただいた段階でしっかり参加をする、しながら、検討してきたいと考えております。

 

 

小熊慎司 衆議院議員:
策定過程にもかかわり、リーダー役をかってでるべきではありませんか。
 
2:32:00ころ
木原誠二 外務政務官:
(このガイドラン案が)よりよい内容となるようにしっかりとわが国として関与して、前向きに関与して参りたいと思います。

 

小熊慎司 衆議院議員:

いい答弁ですね。策定過程までも関与して、日本の主張も言うべきことは言っていくべきですね。正々堂々と策定にかかわる。そして、策定された後は全世界に広げていく。こういうことがまさに積極的平和外交ですよね。「百の言葉より一つの行動」ぜひよろしくお願いします。「女性の権利」などの抽象的な言葉だけではなくて、外務大臣自身が国際的に面談されるときに、ぜひ話題にしていっていただきたいと思います。外務大臣の心意気を御答弁下さい。

 

岸田文雄外務大臣:

GCPEAのガイドラインの基本的考え方は評価されるべきものと思います。ただ、ガイドラインの文言についてはしっかり精査し検討していきたいと思います。GCPEAの情報によりますと、いくつかすでに積極的な姿勢をとる可能性がある国があるそうです。このリストアップされております国々の姿勢なども参考にしながらわが国の姿勢をしっかり確認して参ります。

 

小熊慎司 衆議院議員:

 

確認しなくても積極的な国に日本はリストアップされなくてはならないのであって、大臣どうぞよろしくお願いいたします。

 

2:36:25/3:49:55 【終了】



【活動報告・メディア掲載】 LGBTの若者へのメッセージ2013/12/03 09:53

LGBTの若者に応援メッセージを送る「ハートをつなごう学校」に、ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィスからメッセージをお送りさせていただきました!

映像はこちら

【HRWニュース】対人地雷禁止:イエメン政府が地雷埋設したと認める2013/12/04 11:35

イエメンは対人地雷禁止条約の締結国にも関わらず、数千個の地雷を埋めた疑いがあります。

詳しくはこちらをご覧ください。


【HRWニュース】チャド: ハブレ前政権は組織的に残虐行為を行っていた2013/12/04 11:57

アフリカ中央部にあるチャドのハブレ前大統領は、1982~90年の任期中、組織的に大規模な虐殺や拷問、恣意的な逮捕、そして一部の民族へ激しい迫害を行いました。その被害者は1万2,000人以上に上ります。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは13年にわたる調査を基に研究論文を発表しました。本論文の結論の一部を含め、詳細はこちら

自己紹介:インターンの篠崎です。2013/12/05 10:00

ご挨拶が遅れました。
今年8月よりヒューマンライツ・ウォッチ東京オフィスでインターンを始めました篠崎佑太です。

日本での生活歴が5年というちょっと変わった人生を歩んできましたが、大学で学んだ文化人類学や、父親の仕事の関係で英国、シンガポール等で様々な海外経験を通して、私は今まで世界の多面性と複雑性、また万人に「正しい」答えを導きだすことの難しさを学んで来ました。私の志望動機の根本にあるのは、まずこうした経験をさせていただいた世界に恩返しをするための術を学ぶことです。

しかしながら正直に申しますと、私の中に燻っていた「正義感」は五年前のほうが強かったかも知れません。子供の頃は、純粋に自分の恵まれた境遇と他者の恵まれない境遇を比較し、何とも申し訳ない気持ちになると同時に、大人になったら絶対人のためになる仕事をしたいと思っておりました。しかし、連日ニュースに見る数えきれないほどの不幸と、 世界の複雑性、更には大学卒業後の自身の生活の心配から、自分の核にしていかなければならない大切な感覚が少しずつ消えていってしまったような気がします。このインターンを志望するもうひとつの大きな理由は、再び人権問題を現実問題として直視し、それを踏まえて今後自身はどのような知識や経験を身につけ、どういった人生を歩んでいきたいのかを考えるためです。

本インターンに応募したもうひとつの理由が、国際NGOという活動形態に対する疑問と興味です。昨年の夏、パリのアフリカ移民の健康と生活を守るためのNGOでインターンとして働かせて頂いたのですが、その団体の抱えていた一番の大きな問題が、目に見える結果を出すことでした。私の見たところ、そのNGOは、故郷を遠くはなれ、知り合いもいない大きな街で孤独に耐えている移民にとっては非常に重要な交流の場所として機能していた一方、数値的な成果として発表できる物が非常に少ないことを大きな問題としていました。寄付金を使い活動する団体としては、何かしらの具体的な結果を出すことがとても重要になってくると思いますが、果たしてそれだけなのか。数値を出すにしても、何を取って「成功」とするのか。また、NGOは、どういう(政治)力があり、どこが足りないのか。HRWでは、このような課題をどのように乗り越えているのか、ぜひ学びたいと思っております。

これからよろしくお願い致します!

❖イベント告知❖シンポジウム「国際連合事実調査委員会と北朝鮮の今後」2013/12/05 10:27

みなさまこんにちは。インターンのゆうたです。

12月13日(金)に「国際連合事実調査委員会と北朝鮮の今後」というシンポジウムが開かれます。土井も討論に参加致します!

本年,国連人権理事会は,北朝鮮の人権問題を調査するため,事実調査委員会が設立されたことをご存知の方も多いかと思います。本シンポジウムは,事実調査委員会の設立を求めてきた「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合(ICNK:The International Coalition to Stop Crimes Against Humanity in North Korea)」による、

 ① 事実調査委員会とは何か
 ② 国連人権理事会決議「朝鮮民主主義人民共和国の人権情勢について」(A/HRC/RES/22/13)に至る経緯
 ③ 同委員会の調査活動と今後の北朝鮮

についての討議及び報告会です。

  毎年12月10日から16日までは,北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民の認識を深めるとともに,国際社会と連携しつつ北朝鮮当局による人権侵害問題の実態を解明し,その抑止を図ることを目的とした「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」です。「近くて遠い」隣国で何が起こっているのかを知る機会となれば幸いです。

<開催概要>(イベントサイトより)

1. 日 時: 2013年12月13日(金) 16:30~20:30
2. 場 所:明治大学 駿河台キャンパス リバティタワー16階 1163教室
3. 内 容:
第1部 16:30~17:50 COI報告と今後の国連決議に向けた報告と討論
 ◎挨  拶 川島 高峰 この報告会の意義について
 ◎基調報告 須田 洋平 (弁護士)
 ◎討  論
  討論司会 川島 高峰 (明治大学准教授)
  討 論 者 土井 香苗 (Human Rights Watch 日本代表)
       若林 秀樹(AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN事務局長)
       加藤  博 (北朝鮮難民救援基金 理事長)
       藤田 隆司 (特定失踪者親族)
 ◎フロアーの意見&補充討論
第2部 18:00~20:30 映画 「クロッシング」
 ◎ナビゲーター 佐伯 浩明 (北朝鮮難民救援基金 副理事長)
4 主 催: 明治大学,立教大学,国際大学 国際協力人材育成プログラム事務局
5 共 催: The International Coalition to Stop Crimes Against Humanity in North Korea (ICNK)
6 対 象: 明治大学,立教大学,国際大学の学生 及び 教職員,一般
7 申込み: 事前申込みは不要です。 当日,会場へお越しください。

明治大学ウエブサイトイベントサイトURL:
http://www.meiji.ac.jp/gakucho/info/2013/6t5h7p00000ghg34.html

【HRWニュース】ベトナム:憲法改正でも 人権面は遺憾な内容2013/12/05 15:01

11月28日、ベトナム議会で憲法改正案が可決されました。

市民からは国際人権基準に見合った抜本的な改革の希望が提言されていましたが、改正案には反映されませんでした。


詳しくはこちら


【HRWニュース】南アフリカ:ネルソン・マンデラ元大統領の死去は大いなる損失2013/12/06 16:42

アパルトヘイト制度撤廃を導いたネルソン・マンデラ元大統領が死去しました。
こちらから功績・経歴等をご覧いただけます。


自己紹介:インターンの須田です2013/12/06 17:12

はじめまして

11月からヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィスでインターンをしている須田英太郎です。ダースーと呼ばれています。

 

2年前の夏休みにゼミの友達とミャンマーにいったことで世界の人権問題に興味を持ち、それ以来、大学の授業やNGOでのボランティアを通して人権問題に関わってきました。昨年の冬学期は、大学を休学し、ミャンマー西部で迫害されているロヒンギャの避難民キャンプでの教育支援にたずさわりました。仕事もできずに簡易テントで暮らす人々やプレハブの学校で勉強する生徒たちと触れ合って、人権侵害の現場の空気を肌で感じることができました。

今は大学で文化人類学を勉強しています。人権NGOや企業などの組織と、人類学者などの研究者が、どのように人権問題に関わっていくことができるのか興味を持っています。

 

東京オフィスでインターンを始めて、世界の人権問題に取り組む人々と一緒に働く中で、私たちが当り前に享受している権利は容易く失われうるのだと、再認識しました。将来は大学院で人類学を学んだのち、紛争や貧困の解決といった現場で働きたいと考えています。

未熟者ですが、ヒューマン・ライツ・ウォッチでのインターンを通して、世界の人権状況の改善に少しでも役立てちたいと思っています。