インドネシアの学生NYオフィス来訪2013/02/11 07:52

みなさん、こんちには。

本日は、インドネシアの大学生が先週NYオフィスを訪れた際の状況を簡単にご紹介します。

毎年、Temple University()の助成のもと、インドネシアから学生団をアメリカに派遣し、アメリカでの学習・生活環境に触れられる機会を与えています。

今年は、インドネシアの異なる州(アチェ、パプア、ジャワ)、異なる宗教に属する(イスラム教スンニ派・シーア派・アハマディア派、キリスト教、仏教、儒教)23名の学生が宗教的寛容における多様性と調和を促進するために訪米し、NYオフィスにも来訪しました。

当日は、HRWの紹介ビデオを上映、アジア局副局長によるプレゼンテーション及び質疑応答が設けられました。

学生たちは、副局長の話に熱心に耳を傾け、全員がHRWの活動内容や人権問題に対して強い関心を示し、そして自国の宗教差別に関して副局長とディスカッションを行いました。

以下は先週発表された2013人権年鑑に収録されているインドネシアにおける2012年の人権問題記録の抜粋です。

・宗教的不寛容と差別的な国内及び現地法令の基盤はインドネシアの宗教的少数派に対して表現の自由を否認している。1月、インドネシア政府は恣意的な拘禁に関する国連の作業部会が発表した決定の受け入れとパプア人の独立運動活動家フィレプ・カルマ氏を即急に無条件に釈放するようにとの要請を拒否した。

・インドネシア警察と政府当局は、イスラム教過激派グループによる脅迫と抗議の的となっているアーティスト、作家、そしてメディア企業に適切な保護を与えなかった。

・インドネシア国家治安部隊構成員の刑事免責は、軍事法廷でのずさんな迫害記録や残虐な権利侵害を行った軍人に対する民間の裁判権の欠如を含む深刻な懸念を残している。6月には、300名以上の軍人がパプア村を拿捕し、無差別に87軒の家を焼夷、13名を刺殺、パプア人公務員を殺害した。この事件に対し、軍当局者は謝罪と損害の補償を約束したが、軍捜査官は事件の詳細に対する取調べを行わなかった。

2012年は宗教的少数派に対する、時には死傷者をも出した暴行事件が頻発。イスラム教過激派は暴徒を動員して宗教的少数派を攻撃したにも拘らず、処罰されなかった。また、礼拝所の建設に関する政府法令を含む多数の規制が存在し、それらは宗教的少数派に対する差別と不寛容を深刻化させている。

400万人以上のインドネシア人女性がマレーシア、シンガポール、中東で住み込みの家庭内労働者として働いており、たびたび労働搾取、精神的・物理的・性的暴行、強制的・奴隷的な状況下での労働に直面している。インドネシア政府は、海外労働者の擁護を熱心に唱え、インドネシア人女性22人をサウジアラビアの死刑囚監房から赦免する交渉に成功し、移住労働者条約を批准した。

・インドネシアでは数千人もの庇護希望者が拘禁、虐待されており、中にはスリランカ・アフガニスタン・ミャンマーなどからの子供も含まれている。インドネシアには最低でも1000人の移住児童が住んでおり、うち約200人が拘禁されている。インドネシアは国連難民条約に加盟しておらず、ほとんどの移住者に法的地位を与えていない。庇護希望者は拘禁、刑務所での暴行、教育の制限、そして基本的な援助の欠如に直面している。



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