インターン記 後編 ブログを通じて2012/12/31 10:58

インターンの石川です。

後編では、インターン中に扱った記事を通してブログを書く意味を考えてみたいと思います。

2012年度のヘルマン・ハメット賞をベトナムのブロガー5人が受賞しました。Vietnamese Bloggers Recognized
for Commitment to Rights
(http://www.hrw.org/news/2012/12/20/vietnamese-bloggers-recognized-commitment-rights)

ヘルマン・ハメット賞とは政治的迫害や人権侵害の標的とされている世界中の作家に贈られるものです。受賞した5名の作家やジャーナリストは、ベトナム政府の政策や公務員の汚職を批判する文章の内容によって、警察からの拘禁や尋問、当局からの家宅捜索、出国禁止、長期刑を課せられる恐れと闘ってきました。こちらの日本語のリリースに背景が記載されています。

ベトナム:ブロガーへの訴追を取り下げ釈放せよ」


ここでは、ブログの持つ大きな影響力を政府は恐れていますが、ブロガーたちが「ブログを書くことの意味」はその「影響力」や「結果」にあるのでしょうか。

もちろん、ブログを書く際は、情報や意見の発信、社会変革に向けてなど、外部に向けた効果を意識する場合もあるでしょう。しかし、他人のためや外部的な影響力のためだけでは投獄覚悟でブログを書く意志は貫けないと思うのです。影響力のためだけであれば、支援者がいなくなったり自分の影響力がなくなりそうな時点で心が折れてしまうと思います。

ブログを書くか辞めるかの選択は、書くことで失うものと得られるもの、筆者の内なる葛藤を通じて以外に、ブログを書き続けるという選択は生まれて来ないと思います。例えば、自分の考えに嘘をつきたくないという信念。伝えなくてはという義務感。自分だけでなく家族に危害が及ぶ恐れ。その中で何をとるのか、自分で決断して、自分で書き伝えるという強さが、心を打つのだと思います。

こうして自由にブログを書くことができる私には、受賞者5名のブロガーにとってのブログの意味を、想像することしかできません。そんな限界があっても、インターンを通じて、ジャーナリストの記事を何本も読み、考え、二次的にでも発信する。それは、私がインターンとして、ブログを書く機会を与えられた者として、果たせるほんの小さな義務と意味なのではないかと思っています。