Boris Dittrich氏スピーチ:LGBTの現状と今後2012/10/01 16:19

ブログをご覧の皆様。

こんにちは、インターンの木村です。

先日、Human Rights Watch NY本部のBoris Dittrich氏によるオランダ大使館でのLGBT問題に関するスピーチを聴いてまいりました。
Dittrich氏は、とても気さくで素敵な方でした!!

このスピーチでは、Dittrich氏がなぜLGBT問題で活動するようになったのかということから、現在の世界におけるLGBT問題や今後の展望など、たくさんのことを知ることができました!

彼はLGBT先進国・オランダのロールモデル的存在であり、自身がゲイであることを公言し、世界初の同性婚を認める法案に携わった方です。
LGBT問題への精力的な活動の中で、これまでLGBTに触れてこなかった国連事務総長の潘基文氏が「LGBTへの差別・暴力の抑止」について語ったことは、とても大きな変化だったと言います。

現在、国連にはLGBTにフレンドリーなコアグループがあり、(Human Rights Watchのメンバーです!)それにはオランダ・アメリカ・ノルウェー・ニュージーランド・そして日本も属しています!
アジアはLGBTを取り巻く環境がよくない国が多いエリアです。日本が中心となり、アジアに存在する深刻なLGBT差別の抑止を広げていけるとベターですね。

私個人のDittrich氏のスピーチの感想として、最も印象的に感じたキーワードは、「多様性の尊重」です。
性的にストレートが当然であるとか、そういったステレオタイプな考えに固執するのでなく、もっと「違い」や「個性」を互いに大切にする社会の実現に目を向ける時が来たのだと。
「多様性の尊重」は今回のLGBT一連のイベントを通して言われてきたことですが、世界のLGBTの解決すべき深刻な課題や、改善された具体例などを知ることで、その重要性を強く認識するきっかけとなりました。

日本はアジアの中ではLGBTフレンドリーな国ですが、LGBT先進国のオランダを始めとする諸国に比べると、残念ながら状況は悪いといえます。。
日本におけるLGBT問題の改善のためには、啓発活動を続けることで世間の認知を広めていく必要がありますし、今回LGBTについて学んだ私自身、積極的に協力すべき一人であると考えています。
そして、日本のLGBTの状況をぐっと改善できれば、ひいてはアジア全体にも広げていけると期待しています。


■Human Rights WatchによるLGBT支援のレポートはこちら
*文中の「ジョグジャカルタ原則」とは、Dittrich氏が作成・発表を指導した、国際人権法を性的指向や性自認に適用した原則。

セミナー「LGBTと職場:課題と今後」のご報告 2 前半2012/10/01 22:20

ブログをご覧の皆様、こんにちは!
インターンの浅野です!

今回は、先日、日本IBM様で行われたセミナー「LGBTと職場:課題と今後」の第2部の様子をご報告したいと思います。

第2部は、IBM Diversity and LGBT Markets Global Leaderのトニー・テニセラ(Tony Tenicela)氏とHRW LGBT部門ディレクターのボリス・ディトリッヒ(Boris Dittrich)氏からお話しをいただきました。

トニー氏のスピーチは、「多様なグローバル市場でビジネスをリードするIBMにおけるダイバーシティの役割とLGBTについて」と題されたものでした。
IBMには、3つの価値観が根付いているそうです。それらは、
Dedication to every client's success (すべての顧客の成功のために献身する)
Innovation that matters for IBM and the world (IBMと世界のために革新を起こす)
Trust and personal responsibility in all relationships (すべての関係性に信頼と個人的
責任を) です。
これらの全てにおいて、「多様性」というものがカギとなっています。多様なニーズに答えることで顧客の信頼が得られます。そのため、「多様性」を探索することがIBMの大きな柱になっています。


また、働く上で、人間関係は非常に重要であります。市場開拓を成功させたいならば、市場をまず理解することが必須となります。それは、LGBT市場についても例外ではありません。

最優秀な人材に会社に定着してもらうには、ダイバーシティのプログラムを作ることも重要です。「この職場だと働きやすい!」と社員が思うことで、社員の忠誠心が上がり生産性も上がります。

そのためには、エグゼクティブの支援は不可欠です。IBMでは、エグゼクティブのカウンシルには6人のLGBT当事者が含まれており、LGBT目線で福利厚生の制度・人材育成に関して意見を発信しています。ダイバーシティは、人事だけが取り扱うべき問題ではなく、市場と職場をつなぐもっと大きな問題であります。ダイバーシティは職場と市場をつなぐ橋渡しの役割を果たしうるものです。

IBMでは、さまざまなNPOや企業とコラボしてLGBTの認知性を高めるために努力してきました。シンガポール・中国でも現在プロジェクトが進行しています。このようなセミナーが、最初の大きな一歩です。



トニー氏のお話しで、IBMがいかにダイバーシティを重要視しているかがわかりました。
グローバル化が進んでいる現代において、福利厚生面・企業戦略の面でLGBTを扱っていくのは当然なのかもしれない、と思いました。

ボリス氏のスピーチの様子は、「セミナー『LGBTと職場:課題と今後』のご報告2 後半」に書かせていただきます!!



浅野 知美