ニュースの深層:「南部スーダン独立 世界はどう支えるべきか」2011/07/15 10:27

こんにちは!インターンの湯村です。香苗さんが水曜日を担当している「ニュースの深層」。7月13日の撮影に同行してきました!今回は、早稲田大学国際教養学部教授の片岡貞治さんをお迎えし、南スーダンの独立についてお話を伺いました。

         左から:アシスタントの西谷祐紀子さん、香苗さん、片岡さん

7月9日に、新しい国が誕生しました。アフリカでは54番目、国連では193番目の国、スーダンから分離独立した南スーダンです。

スーダンの北部は主な民族がアラブ系で、主な宗教はイスラム教です。それに対し、南部はアフリカ系が主な民族で、土着宗教やキリスト教が主な宗教です。南北対立は、歴史的にずっと続いてきました。スーダンのイギリス・エジプトからの独立は1956年ですが、1955年に北部と南部で衝突してから、1972年まで内戦状態となりました。また、1983年に南北内戦が再び勃発し、冷戦や9.11テロの国際的な影響を受けながら、2005年の南北包括和平合意まで対立が続きました。この2005年の合意で、2011年までに南部が選挙を行うという規定が定められ、2011年1月の選挙を経て今回の南スーダン独立となったのです。

南北の対立は、民族や宗教の違いだけでなく、イギリスによる南部政策が大きく影響していると片岡さんは指摘します。この政策により、北部ばかりが発展してしまい、南部はほったらかしとなったのだそうです。スーダンには石油があるのですが、その80%が南にある一方で支配してるは北という構造があるのです。

この石油の問題に加え、今後心配される問題は山積みなのだと片岡さんは言います。南スーダンという国家が誕生したものの、国境線はまだ策定されていません。国籍・市民権・滞在権などの問題もあります。キリスト教が国からいなくなった分、スーダン(北)はよりイスラム化する可能性があり、イスラエルと手を組むと示唆している南スーダンのことを考えると、アラブVSイスラエルの構図ができてしまうかもしれません。

また、香苗さんは、自身がいたエリトリアを例に、独裁国家にならないかとの懸念も示しました。エリトリアがエチオピアから独立した当初は、両国家とも良い憲法を作り、お互い良い関係を持っていたのですが、数年すると独裁国家となり、一触即発の関係に今はなってしまっています。人権状況もとても悪い状況です。

日本を含めた国際社会が、スーダンと南スーダンをどうサポートしていくのかが、今後重要となってきそうです。

来週も「ニュースの深層」をご期待下さい!!
水曜日 毎週夜8:00~8:55 朝日ニュースター

         本番後も話はつきません。