中国人権弁護士来日!:2/28講演会(我々はどう冤罪と向き合うべきか―足利事件を再検証する―)のご案内2011/02/24 13:23

土井です。

さて、格差や汚職が横行するもそれを解決する社会システム(独立した司法や自由な報道など)を中国共産党が抑圧している中国。

中国の民間では、民衆の怒りがうずまいています。そうした問題を解決するため、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波さんをはじめ、多くの人々が活発に社会改革を求め、中国の民間社会に大きな影響力を持っています。
そして、中国政府はそうした人々の影響力を恐れ、ときに、逮捕・拘束、監禁します。人権弁護士も例外ではありません。

中東の民主化デモが中国に広がることを中国政府が恐れる今も、多くの人びとが拘禁されたり移動の自由を制限されています
(例えば、読売新聞一面記事 「中国、拘束や外出制限1000人」
 
さて、そうした中国社会の変革の原動力となっている勇気ある人権弁護士さんたちが来日されます。

そして、中国でも日本でも問題となっている「冤罪」について研究会が、2月28日に早稲田大学で開かれます。テーマは、「我々はどう冤罪と向き合うべきか」。
参加は、無料、一般の方もご参加いただけます。またとない機会でございますので、一人でも多くの方に、ご参加頂ければと、思っております。詳細は、下記の通りです。
 
参加をご希望の方は、名前、所属、電話番号を明記の上、Chinaforum10@gmail.comまでご連絡下さいませ。

◆日時:2011年2月28日(月) 10時30分ー14時30分(予定)
    1000    受付開始

  1030-1200 佐藤博史弁護士による講演(中国語の逐次通訳含む)

  1200-1300 昼食

  1300-1430 ディスカッション

◆スピーカー:佐藤博史弁護士(足利事件弁護団、早稲田大学法科大学院教授)
  司会:阿古智子(早稲田大学国際教養学部准教授)
 コメンテーター;中国の弁護士、大学教授、メディア関係者など(合計8名の予定です。) ※日本語ー中国語の逐次通訳つき
          

我々はどう冤罪と向き合うべきか

―足利事件を再検証する―

 

足利事件とは、1990512日(土)、栃木県足利市内のパチンコ店で、父親と来店していた真実ちゃん(当時4歳)が行方不明になり、翌13日、近くの渡良瀬川の河川敷で死体で発見された幼児わいせつ目的誘拐・殺人・死体遺棄事件です。 


菅家利和さんは犯人として逮捕起訴され、実刑が確定して服役していましたが、遺留物のDNA型が一致しないことが20095月の再鑑定により判明し、その後の再審で無罪が確定しました。警察庁と最高検察庁は、無罪判決から6日後の41日、それぞれ検証結果報告書を発表し、DNA鑑定を過大評価し、虚偽の自白をさせただけでなく、その吟味も不十分だったとし、一応の防止策を示しました。 


しかし、足利事件の悲劇を繰り返さないためには、それだけでは不十分とはいわざるを得ません。菅家さんの弁護を担当した佐藤博史弁護士は、遺留物である真実ちゃんの半袖下着のDNA再々鑑定と菅家さんに対する取調べテープの心理学鑑定が必要だと主張しています。 


「臭いものに蓋」をしてしまうのではなく、事実を直視して学ぼうとしなければ、刑事司法の闇に光が差すことはありません。我々は冤罪とどう向き合うべきでしょうか。本研究会では佐藤博史弁護士をお迎えし、足利事件を再検証します。 


なお、研究会には日本の司法の問題を学習するために来日中の中国の草の根で活躍する弁護士や大学教授、メディア関係者も参加します。中国でも近年、重大な冤罪事件が発生していますが、冤罪防止は各国が真剣に取り組むべき共通の課題です。この分野で活躍する中国の専門家たちとの活発なディスカッションに、皆さんも参加しませんか?