ニュースの深層;「アラブ社会で何が起きているのか」2011/02/15 10:24

みなさま、こんにちは。インターンの小田です。
2月9日放送のニュースの深層。テーマは、先日ムバラク大統領がついに辞任したエジプトについてでした。
ゲストは、毎日新聞外信部副部長小倉孝保さん。小倉さんは、2000年から2005年までカイロ支局長を、2007年から2010年はニューヨークの支局長を経験されています。
(写真右側;小倉さん)

今回の、エジプトの一連の動きは、チュニジアのある青年の焼身自殺からアラブ世界を揺るがす民衆の動きに発展しました。

エジプトは、共和制です。が、1953年からムバラク前大統領まで実に3人しか大統領がいません!とはいえ、公正で公平なはずの選挙に行く人が少ない(報道される選挙率が本当だとは思えないほど、小倉さんの周りは選挙に行っていなかったそう。)のは、選挙に行く=ムスリム同胞団とみなされ政府から目をつけられるからという理由のためだったそう。さらに、独裁とはいえ、シリアに比べてまだ道路上でムバラク大統領の「悪口」が言えるくらいの緩やかさはあったそうです。加えてエジプト人は、小倉さんが実際に生活されて『優しい』と感じる気質だとか。報道を見ていて、「もう、疲れてきてしまった。早く、元の生活に戻りたいな。」といっている人のインタビューを見て、「そうかあ。みんな日常生活を送りながら政府に対して闘っているんだな」と思ったことを思い出しました。

今回、控室でお話を伺っている中で面白いな、と感じたのは、イスラム世界の中でエジプトのように政教分離することが逆に宗教弾圧につながる、という側面もあるということでした。さらに、番組の中で、ムバラク大統領時代のエジプトについて今後どの様な評価がなされるのか注目すべき点であるとおっしゃっていました。ムバラク大統領は、イスラエルと一度も戦争をしなかったことは、プラスの評価ができるか、それとも、マイナスの評価か。
(番組終了直後、左から前田さん、土井さん、小倉さん)

日本は、アラブ社会とはなじみが薄い様に思えますが、薄いからこそ他の国に合わせるのではなく、自分の頭でその国にとって日本が果たせる最良の選択をしていく。そのような世論をつくる市民でありたいと思いました。

まだまだ、今後どうなるのか分からないアラブ社会、そしてエジプトですが、エジプト人の「日常」が以前よりももっと自由な「日常」になって欲しいです!!

今週、2月16日のニュースの深層は「布川事件」について。
こちらも皆様、是非是非ご覧下さい!!!