ロシア・チェチェン問題の背景 = 明日の映画上映会と、勇気あるジャーナリストたち ― 2010/04/01 06:35
ロシアとダゲスタンでの爆弾事件で、チェチェンなどのコーカサス問題が、新聞をにぎわしています。
Voice of Justice ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィス開設一周年記念チャリティーディナーには、チェチェンで、ロシア国軍とチェチェン政府軍、そして武装勢力の双方から、暗殺、拉致強制失踪、拷問などの被害にあっている多くの民間人たちの実態を、勇気をもって明らかにしつづけているノーバヤ・ガゼータ紙の調査報道担当ジャーナリスト エレナ・ミラシナさんをお招きします。

エレナ・ミラシナさんは、ロシアで最も著名な独立系新聞ノーバヤ・ガゼータ紙の調査報道担当の有力記者として、チェチェンをはじめとするロシア国内の人権侵害の状況を明らかにし、頻発する政府の権力濫用の実態を明らかにしてきました。
ロシア政府は、ジャーナリストや人権弁護士をはじめ、政府の政策を批判した人々を暗殺や脅迫をもって、もって沈黙させています。もっとも有名な事件は、エレナさんの先輩記者で著明なジャーナリストだったアンナ・ポリトコフスカヤさんが2006年に殺害された事件でしょう。それでも、ミラシナさんは、批判の手を緩めることなく、アンナ・ポリトコフスカヤさんからバトンを引き継ぎ、チェチェンなどにおける強制失踪や超法規的処刑、拷問などについて人々の経験と声を発表し続けています。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、深刻な問題を抱えるロシアの人権状況に勇気を持って立ち向かうミラシナ氏に敬意を表し、2009年の人権アワードを授与しました。
エレナ・ミラシナさんの先輩記者で、2006年に暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤさんのドキュメンタリー映画が、明日【4月2日(金)19:00から】大泉学園ゆめりあホールにて上映されるそうです(主催:市民の声ねりま)。
私たちもヒューマンライツウォッチ東京オフィスも鑑賞に参りますので、皆様もぜひご参加されてはいかがでしょうか。
【4月2日(金)19:00から】
●●ドキュメンタリー映画「アンナへの手紙」上映会●●
詳細はこちら: http://d.hatena.ne.jp/chechen/20100318/1268923017
日 時 2010年4月2日(金)19:00~21:30 開場18:30
会 場 大泉学園ゆめりあホール
参加費 一般1,000円 高校生以下500円
http://www.neribun.or.jp/oizumi/
主 催 市民の声ねりま(チケット申し込み、お問い合わせは)
練馬区東大泉5-6-9 池尻成二事務所 03-5933-0108 siminnokoe[at]nifty.com
来月来日されるミラシナさんの先輩記者であった、ロシアのノーバヤ・ガゼータ紙のアンナ・ポリトコフスカヤさんは、2006年10月7日、モスクワの自宅のエレベーター内で暗殺されました。
チェチェン問題の真実を明かし、弱者に常に寄り添ってきたポリトコフスカヤさんの人生を辿りながら、ロシアの闇に切り込むドキュメンタリー映画「アンナへの手紙」(2008年)の上映会(主催:市民の声ねりま)。皆様もぜひご参加されてはいかがでしょうか。
4/17(土) チェチェンとロシアでの報道の自由 シンポジウム ― 2010/04/02 17:10
ぜひ お越しくださいませ!!
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チェチェンの現状 そして 暗殺と隣り合わせの
ロシアのメディア
ノーバヤ・ガゼータ紙記者が語るチェチェンとロシアの人権危機
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日時: 2010年4月17日(土)13時~16時 (開場12時半)
場所: 明治大学 駿河台キャンパス リバティタワー 3階 1032教室
〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1
地図: http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
主催:ヒューマン・ライツ・ウォッチ
後援:毎日新聞社、チェチェン連絡会議
参加費:1,000円 (学生以下無料)
日本語通訳付き
事前にtokyo[アット]hrw.org宛に、ご氏名とご所属をメールして
いただけますと幸いです
(アットを@に置き換えてメールしてください。
事前申込みなしに直接御来場いただいても問題ありません)
お問い合わせ: ヒューマン・ライツ・ウォッチ(担当 吉岡)
03-5282-5160 / tokyo[アット]hrw.org
プログラム:
第一部:講演(日本語通訳つき)
エレナ・ミラシナ氏
(ノーバヤ・ガゼータ紙記者。2009年のヒューマン・ライツ・ウォッチ
人権賞受賞)
チェチェンで続く人権侵害、ロシアのジャーナリストや
人権活動家のおかれた状況、ロシアの人権状況について
第二部:パネルディスカッション:
チェチェンの現状、ロシアの現状
――― 国際社会に何が求められているか
パネリスト:
エレナ・ミラシナ氏(ノーバヤ・ガゼータ紙記者。2009年のヒューマン・
ライツ・ウォッチ人権賞受賞)
タニヤ・ロクシナ氏(ヒューマン・ライツ・ウォッチ モスクワ事務所
副所長)
杉尾直哉 氏(毎日新聞社 記者 )
岡田 一男 氏(映像作家 チェチェンの子どもたち日本委員会 共同代表)
モデレーター:
土井香苗 (ヒューマン・ライツ・ウォッチ 東京ディレクター)
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ジャーナリストをはじめとする人権活動家の殺害が続くロシア。
しかし、ロシア政府は、こうした残虐な犯罪行為を処罰せず、多くの事件の真相は闇に葬られたままです。
来月、2009年のHRWの人権アワード2009の受賞者のひとりで、ロシアの著名な独立系新聞ノーバヤ・ガゼータ紙の記者であるエレナ・ミラシナ氏が来日されます。
ミラシナ氏は、2006年10月にモスクワの自宅アパートで殺害されたアンナ・ポリトコフスカヤさんの後輩記者でもあり、自らの命が危険に晒される中、主にチェチェンを舞台に、拉致、強制失踪や政治的な暗殺、拷問などの被害者の経験を、勇気をもって発表し続けています。
第1部のミラシナ氏による講演では、
ミラシナ氏が自らの体験をもとに、チェチェン、そして、ロシアの人権状況と、脅威にさらされる報道の現状を語ります。
第2部のパネルディスカッションでは、
毎日新聞社 記者の杉尾直哉氏、チェチェンの子どもたち日本委員会 共同代表の 岡田一男氏も交え、チェチェンの現状、そして国際社会に何が求められているかについて議論を交わします。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
―――――参考――――
エレナ・ミラシナの英語での著作の一部
“We are not afraid” (Novaya Gazeta, January 21, 2009)
http://en.novayagazeta.ru/data/2009/005/00.html
“Killed due to resistance offered” (Novaya Gazeta, September 11, 2008)
http://en.novayagazeta.ru/data/2008/65/01.html
タニヤ・ロクシナの英語での著作の一部
Another Voice Silenced in Russia (Washington Post)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/07/16/AR2009071603572.html
Guardian
『悲しみのダルフール』いよいよ出版! ― 2010/04/05 16:44
こんにちは、ヒューマン・ライツ・ウォッチの土井香苗です。
今月選挙が行われることから注目が増しているスーダン。しかし、西部のダルフール危機はあまり知られていません。残酷な暴行、家族の死に直面した女性医師の半生が綴られた、ハリマ・バシール&ダミアン・ルイス著『悲しみのダルフール』(PHP研究所)がいよいよ今月下旬に発売開始です。私が帯を書きました!
「この『悪夢』を、どうすれば『希望』に変えられるのか?-スーダン・ダルフール出身の女性医師が、暴行、レイプ、虐殺など残虐行為を生き延びた自身の半生を告白する。世界的な人種危機。スーダン政府軍と民兵による、アフリカ系先住民族の大量殺戮の現実がここに。一人でも多くの日本人に彼女の言葉に触れてほしい!」という帯をのせています。
物語は彼女の平穏な幼少期から始まり、スーダンの一部落の生活の中に私たちもスリップすることが可能です。村では珍しく都会の学校に進学した彼女は、黒人であるが故の差別を受けながらもたくましく成長し、勉学に励み続けた結果、医学の道へ進みます。温かい家族に見守られ、順調に見えた彼女の生活にも内戦の影が…
本人直筆の本書では、教科書では学ぶことのできない、ダルフール紛争の実態が被害者の目を通して生々しく描写されています。さらに、遠くアフリカの人々の事細かな真の生活の様子を体感することのできる素晴らしい一冊です。日本人が知るべきスーダンがここに!
ぜひ皆様も書店でこの本を目にされましたら、一度お読みになってみて下さい!
ハリマ・バシール&ダミアン・ルイス著 真喜志順子訳
『悲しみのダルフール―大量虐殺の惨禍を生き延びた女性医師の記録―』(PHP研究所)
アマゾンでの購入はこちら
明日の「ニュースの深層」~東大に、あの人が寄付した 「難民移民」講座 発足! ― 2010/04/06 17:39
ゲストは、司法試験の神様ともいわれる伊藤真の司法試験塾の伊藤塾長です―――なんと、伊藤塾の寄付によって、この「難民移民講座」はできたのです! 伊藤塾長のおかげで私も大学三年で司法試験に合格できたわけで、伊藤先生は人生の恩人でもあります。
そして、もうひとりのゲストは、東京大学の人間の安全保障プログラム 佐藤安信教授です。

昨日はその打ち合わせで朝日ニュースター報道制作局の大塚さんとインターンの立川さんが、東大の佐藤安信先生にお話を伺いました。
インターンの立川さんも、個人的に難民支援に大変関心があり、過去にも難民講座等を受講したことがあることから、佐藤先生にお会いできるととても張り切ってでかけました。そして、専門書やレポートがずら~っと並んでいる佐藤先生の研究室にまで入らせていただき、大変勉強になったとのことです。佐藤先生、大塚さん、どうもありがとうございました!
明日の「ニュースの深層」は、朝日ニュースターで20時からです。
是非ご覧ください!
タイ――外国人出稼ぎ労働者たちの日常(その2) ― 2010/04/08 11:29
タイには100万人以上が、国外から出稼ぎに来ています。彼らの立場は大変弱く、その日常は殺人、恐喝、労働権侵害などの危険に満ちています。


(c)2009 Human Rights Watch

(c)2006 Nic Dunlop/Panos Pictures

(c)2008 John Hulme
出稼ぎ外国人労働者は警察に捕まると、釈放と引き換えに警官から現金や貴重品を要求されることが常となっていて、一回の恐喝で1~7カ月分の稼ぎを失うことも珍しくありません。
ヒューマン・ライツ・ウォッチもリリース「タイ:出稼ぎの外国人労働者が殺人、恐喝、労働権侵害に直面」(http://www.hrw.org/ja/news/2010/02/23-3)の中で、「関係当局者や警官の多くは、外国人労働者を歩くATMさながらに扱っており、それは外国人労働者の搾取と虐待のシステムに他ならない」と批判しました。
次回の(その3)に続きます…
http://www.hrw.org/node/88619
明治大学のHPのトップにヒューマンライツウォッチ登場!? ― 2010/04/09 22:55
ロシアの「ノーバヤ・ガゼータ紙」記者 エレナ・ミラシナさんと、チェチェンや脅迫と暗殺にさらされるロシアの報道の現状をについて4月17日(土)にシンポをすることは先日お知らせしました
http://hrw.asablo.jp/blog/2010/04/02/4990254
その情報が、明治大学のHPのトップページ(http://www.meiji.ac.jp/index.html)に掲載されました!
講演会・イベントのご案内の4月17日の覧です。
内容は→ http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/1270794579.pdf
どうぞ、おこしくださいませ。
ポッドキャスト : ロシアのノーヴァヤ・ガゼータ紙記者 エレナ・ミラシナさんインタビュー ― 2010/04/12 10:01

ELENA MILASHINA
今回ご紹介するHRWのポッドキャストは、彼女が昨年11月にヒューマン・ライツ・ウォッチの「アリソン・デ・フォージ人権活動家賞」を受賞した時のインタビュー。同賞は毎年、たゆまず勇敢に人権問題に取り組む人びとに送られます。
それではこちら(英語)から、まずはエレナさんのお話をお聞きください!感動まちがいなしです!
いかがでしたか?
お話にもあったように、エレナさんはこれまで調査報道担当として、ロシア国内で頻発する人権侵害を告発してきました。政府の汚職を勇敢に暴き続けるエレナさんの身は、決して安全ではありません。実際、これまですでに4人の同僚が暗殺されているのですから。
エンタメ記事を書くものとばっかり思いながら入った新聞社でしたが、プーチンが政権を握ってメディアへの弾圧が強くなっていくにつれ、彼女の運命も変わってしまったのです。すでに10年以上のキャリアがあるとはいえ、まだたった32歳のエレナさんが背負う使命は、とてもとても重いものです。
今は米国のミシガン大学に在籍していますが、ロシアに帰ってかつての同僚たちと人権擁護のための報道を続けたいと強く願うエレナさん。インタビューの最後に、「世界中で似たような、または更に過酷な状況で日々人権擁護のために活動する仲間たちに送る言葉は?」と聞かれた時のエレナさんの答えが、冒頭にある引用です。
「一人じゃないよ、と言ってあげたい。彼ら一人ひとりの名前は知らないけれど、彼らの仕事がどんなに困難で、なのになぜ立ち止まることができないのか、私はよく知っているから。彼らの勇気が私を奮い立たせるの。名前は互いに知らなくても、私たちは世界中で繋がっている」
そして、4月19日(月)に東京で行われるチャリティー・ディナー(詳細はクリック)と17日(土)のシンポのメイン・スピーカーが、このエレナさんです。エレナさんのお話を生でお聞きください!
その他のHRWポッドキャスト(英語)はこちら
タイ――外国人出稼ぎ労働者たちの日常(その3) ― 2010/04/14 12:36
改革派を主張するアシビット政権ですが、労働者の国間移動を、世界的なグローバル化の一部としてではなく、国内の治安問題ととらえている傾向が強いようです。
実際、外国人労働者の携帯電話やバイクの使用を禁止したり、移動を著しく制限したり、集会を違法化したり、夜間外出を禁止したりと、大変厳しい州条例がタイ各地に存在し、実施されています。




All Photos (c) 2008 John Hulme
さて、東南アジアのパラダイスであるタイの典型的なイメージとは異なる横顔、外国人労働者問題にまつわる写真のご紹介も、次回が最終回です。乞うご期待!第一回はこちら、第二回はこちらです
ヒューマン・ライツ・ウォッチ リリース「出稼ぎの外国人労働者が、殺人、恐喝、労働権侵害に直面」(日本語)はこちらから
http://www.hrw.org/ja/news/2010/02/23-3
ヒューマン・ライツ・ウォッチ 報告書「トラから逃れてもワニが待っている:タイにおける外国人労働者の搾取と虐待の実態」(124ページ、英語)はこちらから
http://www.hrw.org/node/88619
アニュアル チャリティディナー 昨日行なわれました! ― 2010/04/20 15:47
ディナーの詳細は3月17日のブログに掲載されているとおりです
(http://hrw.asablo.jp/blog/2010/03/17/)
175名ほどの方がおこしくださり、本当にすばらしい夜となりました。御多忙の中駆けつけてくださった多くの皆様に心より感謝申し上げます。
また、多くのボランティアの方々にも助けていただきました。本当にありがとうございました。
このディナーの様子など、ヒューマンライツウオッチ東京の活動の様子が、NHK BShi 地球ドキュメント ミッション
(http://www.nhk.or.jp/mission/)で、
5月2日(日)午後9時-9時44分 まで放送されます。
(再放送 5月3日(月)NHK BS2 午後11時から11時44分)
ぜひご覧いただけましたら、幸いです。
土井香苗 (疲労困憊からの回復途上です)
ゲストの感想 アニュアルディナー Voices For Justice ― 2010/04/22 12:13
アニュアルディナー Voices For Justice
(http://hrw.asablo.jp/blog/2010/03/17/)
にお越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。
お越しくださった方々がどんな感想をお持ちになったかしらと検索してみました・・・ ブログに感想をお書きくださった皆様本当にありがとうございました。
例えば・・・ ENVIROTECH 様のブログから・・・・
http://envirotech.exblog.jp/14210769/
文化を考えてくださったまゆ様
http://mayukakaku.seesaa.net/article/147079757.html
出席されたお父様から娘さんへのお手紙
http://plaza.rakuten.co.jp/toochan/diary/201004200000/
うなえさんのつぶやき・・・・
http://twitter.com/unae/status/12457463342
みなさん、温かなコメントをありがとうございます。ほかにもブログやつぶやかれている方がいらっしゃったら教えてくださいませ。
今後とも、世界の人権問題について、少しでも、つぶやいたり、ブログにのせてくださったりしたら、本当にうれしいです。
皆様が世界の人権危機について、発信してくだされば、
だんだん日本政府も世界の人権危機に対応していくようになると思います!