中国でのオンライン検閲や取材規制の実態:北京五輪取材ハンドブック2009/11/26 14:44

北京五輪取材ハンドブック
こんにちは。ヒューマン・ライツ・ウォッチの土井です。


今回は、昨年ヒューマン・ライツ・ウォッチが作成した上記北京五輪取材ハンドブックの日本語訳についてご紹介します。


2008年の北京オリンピックの際に、2万人以上のジャーナリストが中国に行きました。その中には中国での取材が初めての記者も…

しかし、中国では、報道は自由ではありません。ジャーナリストの投獄や暴行事件も多発しています。そこで、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、昨年、五輪を前に、外国人ジャーナリストの方々に向けて、基本情報、そして中国でジャーナリストが直面しそうな様々な問題への具体的な対応策を説明した記者ハンドブックを作成したんです!

たとえば、中国で取材するときは、記者自身だけではなく、取材される人々や他の取材に携わる人々の身の安全にも気をつけなければいけません。五輪の結果、外国人ジャーナリストには取材の自由が与えられたのですが、地元の情報源やアシスタント、通訳、仲介者、調査員といった中国人のスタッフには取材の自由を定めた規則はいまだに適用されていません。

また、中国政府はオンライン上の言論を検閲し、Eメールとテキスト・メッセージをモニターする包括的なプログラムを実施しています。ワシントン・ポスト紙(2007年12月26日)によると、中国政府は推定3万人のインターネット検閲者を雇い、中国のサイトのコンテンツ及びサイト上のやりとりの監視も実施しているとのこと。私たちヒューマン・ライツ・ウォッチのウェブサイトも、ファイアウォールでブロックされていて、中国では閲覧できないと聞いています。

そんな状況のなかで、どうすれば安全に、そして意味のある報道できるのか?!ということをこのハンドブックで紹介しているわけなのです。


なぜ、1年前につくったこのガイドブックのことを突然思い出したかというと・・・先日、中国にいる日本人記者さんから、「ヒューマン・ライツ・ウォッチの闇監獄の報告書を読みたいけれど、ブロックされていて読めない!」とのメールをいただいたからです。このガイドブックには、そういったブロックされているURLをみる方法なども掲載されていますのでぜひご活用くださいませ。


記者のみなさん、そして記者ではない皆さんもぜひご覧ください!

ヒューマン・ライツ・ウォッチ 北京五輪取材ハンドブック