福島からの声⑪2012/04/19 18:57

インターンの湯村です。「福島からの声」の第11回目です。


10歳と11歳の娘の母親。郡山市の自宅にて。福島第一原子力発電所から約60 km
© 2012 Katsuo Takahashi for Human Rights Watch

今まで一年間、避難せずに郡山市にいたことを後悔してます。福島は、いろいろなところから来た人が集まっている東京のような町とは全然違うんです。地域のプレッシャーがすごいんです。福島から出て行くと裏切り者と言われることもあって。私は子どもの学校のPTAの副会長だったこともあって、ここに残ってみんなの見本にならなければいけないという気持ちもありました。本当にいろいろなことで悩んできましたが、結局子どもの健康が一番大事だから福島を去るべきだ、と腰をあげるのに1年かかったことを後悔しています。でも今は動かなくちゃと思えるようになりました。ですから、学校の新学期にあわせて、子どもと一緒に新潟県に移るつもりです。子どもたちは友だちと離れるのはいやだと言っていますけれど、今の友だちも継続しながら新しい学校で新しい友達を作るチャンスだよって伝えています。夫は、仕事のためにここに残る予定です。

子どもたちの学校は、地元の新米を今年も使うことにしたです。私はすごく心配になって、校長先生や教育委員会にも連絡したんです。そうしたら、福島県が全国に向けて福島の食材は安全だというキャンペーンしているときに、地元の学校で県内のお米を出すのはやめられないと言われて。本当にひどいと言葉を失いました。

調べていく過程で、福島から避難する人を支援するグループや自治体もたくさんあることがわかってきました。私は、福島県で避難すべきか悩んでいるお母さんたちに言ってあげたいんです。ひとりじゃないんですよ、って。外には福島のお母さんを助けたいという人たちがたくさんいるんですから。