東北関東大震災 私たちにできること ― 2011/03/16 23:38
インターンの石川です。 3月11日に起こった東北関東大震災。その衝撃と悲しみは測り知れず、テレビやラジオ、twitter等で被災地の大変な状況を聞きながら、私たちも何かできないかと思う瞬間が、この5日間で何度もあったことでしょう。 被災地にいない私たちに何ができるのか。そして今被災地で困っていることは何なのか。 それが本日のニュースの深層のテーマでした。

ゲストはジャパン・プラットフォームhttp://www.japanplatform.org/椎名規之さん。
国際人道組織「ジャパン・プラットフォーム」では、世界各地で続発する自然災害の被災者に対して国際的な緊急援助を迅速に、そして高い質で行うためのシステムを提供しています。様々なNGOや機関がそれぞれの特性、資源を生かし協力・連携して、自然災害時の緊急援助をより効率的におこなうことができるのです。
電話で中継し現地から様子を伝えて下さったのは、難民を助ける会http://www.aarjapan.gr.jp/の野際紗綾子さん。被災地の障害者施設を訪れ、災害弱者である障害者の方々が施設から出られない状況、停電の中人々の張りつめた雰囲気、食糧や医薬品、物資を輸送する燃料(ガソリン)が不足している現状を語って下さいました。
番組の中で、ゲストの椎名さんに、災害時に私たちは何ができるのかをお聞きしました。
◆まず現地に行ってすることは。
ニーズの調査です。自然災害時には衣食住のニーズは常にありますが、その他に冬であれば毛布、年齢によっても医薬品や必要とする者が違ってきます。その調査をまず行い、在庫が不必要に余らないようにし、支援が迷惑にならないようにすることが大切です。
◆今被災地で一番困っていることは何でしょう。
食糧とそれを運ぶためのガソリン・燃料が不足しています。これを解決するためには企業からの提供の申し出を受けたり、寄付でガソリンを購入したりすることになりますが、首都圏で私たち消費者も不安に駆られてガソリンを不必要に買占めたりしないことが、被災地の支援に間接的に繋がります。
◆緊急援助で大切なことは。
より効率的な支援をするために、各NGO間で資源や物資を調整することが大切です。今何が一番必要でどこに集中的に支援を投入しなければならないのか。それをまず本部で決め、現地でその物資を振り分ける作業を行う。そしてその間を繋ぐ輸送もどのようにしたら効率的に行えるか。その調整役を担うのがジャパン・プラットフォームの役割なのです。現在でも日本レスキュー協会http://www.japan-rescue.com/が救助犬を、日本赤十字社http://www.jrc.or.jp/が主に医療面での支援を行うなど、その他多岐にわたる支援がうまく組み合わさるよう調整しているのです。
◆ボランティアができることは。
まず、被災地に行って自分は何ができるのかを、明確に、具体的に決めてから現地に行くことが必要です。自分の食糧、住居は自分で調達することが必須です。さもなければ足手まといになるどころか、不足する食糧を奪ってしまうことにもなりかねません。ハイチの大地震では、ボランティアは沢山いても専門家の不足が問題になったのです。現地に行きたくても、まずはNGOや援助機関などの専門家が現地で支援をするのを任せる勇気も大切です。私(椎名さん)自身も英国の大学院卒業後インド洋大津波の支援で現地に行った時、何もできず歯痒く悔しい思いをしたのです。どうしても現地に行きたい方は、まず社会福祉協議会http://www.shakyo.or.jp/のようなボランティアのニーズを調整している機関に行って聞いてみましょう。
◆被災地以外の場所で私たちができることは。
現段階では寄付が最も有効です。食糧や燃料、そして医薬品を配布し仮設住宅を建てる上でも、資金が必要です。復興は少なくとも10年単位になるため、完全な再建までには想像がつかないほどの金額が必要になってきます。今だけでなく継続的な支援が必須となるでしょう。後の段階になれば、心理的な問題を相談、解決するカウンセラーやソーシャルワーカー、そして家が流されて再建する段階になれば法律問題を解決する弁護士といった、多種の専門家が復興に力を貸すことが求められます。
連日テレビで報道されていることからは伝わりきらないほどの苦悩、辛さが現地ではあると思います。私たちにできることは小さいかもしれません。しかし沢山あることは事実です。情報に踊らされず、買占めを控え、節電を実行し、献血に行き、寄付を行う。私たちは自分にできることが何かを考え、できることから行動することが大事です。
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