ニュースの深層「中国は変われるか」ゲストに中国人ジャーナリストを迎えて。2011/03/14 15:49

皆様こんにちは。 インターンの小田です。

3月9日のニュースの深層は、「中国は変われるか」というテーマで、全人代が今まさに行われている中国国内における、メディアの影響力について、早稲田大学国際教養学部准教授阿古智子さん、『中国新聞週間』編集委員 劉彦(リュウ イェン)さんの2名をゲストにお迎えしました。


まず、ゲストの劉さんは、『編集委員』という肩書きを見ると年配の方かな?と思ってしまうのですが、お若い!!これについて放送のなかでも、キャスターの前田真理さんが、「若くして重要ポストにつくことは多いのか。」と質問されていました。これについては、中国でのメディアの発展は最近20年のことなので、若い人が多く活躍しているのだということ。『中国新聞週間』の編集長は、劉さんより1歳年下の女性だとか。また、社会における男女比についても、女性のほうが多く、1.5倍くらい多いと思われるそうです。
そして、、、
~朝日新聞で1ヶ月ほど前に出ていた中国の国民が感じている幸福度指数についての
 グラフの内訳
  幸せだと思う人 6%
  普通だと思う人 39%
  不幸せだと思う人49%
GDPは世界第2位となった中国ですが、まだまだ国内での持てる者と持たざる者の差が大きいため、この様な結果になっているのだろうという劉さんの分析でした。
番組の中心は、中国国内の土地収用問題が取り上げられました。これは、政府が開発の進んでいない農村部の土地を買い上げ、その土地に住む人びとを集合住宅などに移住させるものです。土地の効率的な利用という観点からは、合理的ですが、何百年と世代交代を続けてきた家を離れること、そしてそれまではほぼ自給自足の生活を送っていたのに、突然の集合住宅住まいによって、光熱費など「金銭」が必要となり、貧窮してしまうといった問題が起こります。この様な、土地収用問題について、最近では、中国国内で「焼身自殺」をはじめとした抗議行動が政府に対して行われ、世論も土地収用について反対の声が噴出。世論を作り出したのは、紛れもなく中国の民間「メディア」の力。

世論が「反対」のムーブメントを作り出すきっかけとなったある女性の焼身自殺、、、これはTVで偶然、問題となった土地の取材がされていたさいに、女性が自殺したため全国に放映。中国国内に大変なショックを与えたそうです。

劉さんは、番組が放送された3月9日の午前中に、早稲田大学におり、そこで、卒業式のために着物を着た学生を見たそうです。それをみて、経済などのシステムを西洋社会から移入しつつ、卒業式などの節目で着物を着るなど、伝統文化を守っている様子をみて、中国は上手に伝統文化を守れていないのではないか、、、と思われたとも。さらに、番組の最後で、「歴史的に日中間で不満はあるが民間レベルでの交流ならば、そうした軋轢は克服できると思う」という旨をお話されていました。

今回の劉さんのお話をモニターで見ていて、経済をめぐるお話については、劉さんが専門分野であるということも一因かもしれませんが、とうとうとお話されているのに対して、政治的なことについては言葉を選んでいるように見え、中国は「一国二制度」なんだなあ、、、と妙に実感しました。実際、中国の民間メディアの株主は政府関係の機関(国営企業等)が関与し、国内に対しデリケートな問題を報道した際は、その株保有率をコントロールすることで、報道を統制しているようです。

中国にまつわるニュース、、、様々な観点から目が離せません!

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