ロンドンでのディナー その内容は・・・?-- HRWロンドンオフィスリポート②2011/01/20 21:56

 昨年11月にロンドンで行われたアニュアル・チャリティディナー。

そのクライマックスは、人権活動家のスピーチです。今回は2010年にHRWが表彰した6人の活動家の中で、エチオピア出身のヨセフ・ムルゲタさんと、イラン出身のスーザン・タマセビさんをお招きいたしました。


  ヨセフさんはエチオピアを代表する人権監視団体「エチオピア人権評議会」の元事務局長。同国政府が表向きに進める「民主化」の影で、現実に起こっている人権蹂躙を鋭く指摘してきました。同国の人権状況を逐一記録・公表し、市民社会構築に貢献してきたエチオピア人権評議会でしたが、政府の圧力によって団体活動の制限を余儀なくされ、ムルゲタ自身もアメリカに政治的庇護を求めることとなりました。HRWでは彼のように危険を冒しながらも人権問題に立ち向かってきた活動家に敬意を表することで、活動に光を当て、応援すると共に、人権侵害者に対しては「国際社会は人権法違反を見逃さない」というメッセージを送ってきました。


  ヨセフさんのビデオとスピーチの後、HRWが表彰した人権活動家のうちのもう一人スーザン・タマセビさんが紹介されました。タマセビさんは、イランの市民社会の強化、女性の人権保護、平和教育などの活動を20年以上行ってきた実績があります。しかしながら、彼女はイランの治安部隊からの嫌がらせを受け、2年以上にわたり海外渡航を禁じられてしまいました。アメリカ市民として米国パスポートも持っていらっしゃため、この間も海外への移動が可能となりましたが、イランでの人権活動は以前厳しいものがあります。


 お二方のスピーチの前後は、しばし歓談のとき。とても美味しい料理です。


 ディナーの最後は、更なるご支援をお願いする女優Juliet Stevensonのメッセージビデオの上映とボランティアからの呼びかけです。HRW関係者を含めた約300名のゲストをお迎えした宴はこうして大成功のもとお開きとなりました。

次回はこのアニューアル・ディナーの企画・運営に深く携わった、ディベロップメント局のアソシエイトKim Thomondのインタビューをお伝えします。お楽しみに!