ニュースの深層:ビルマは真の民主化ができるか2010/11/21 19:49

こんにちは。インターンの小田です。
今日は、11月3日のニュースの深層の模様をお伝えします!

11月7日に20年ぶりの総選挙を目前に控えたビルマに焦点をあて、ビルマ近現代史の専門家である上智大学教授の根本敬教授をゲストにお迎えしました。根本教授は、アウンサンスーチーさんにビルマであわれたこともあるそうです。
(写真手前から 前田さん 香苗さん スタッフの方 根本敬教授 ディレクター大塚さん)

今回のビルマでの総選挙ー。名前ばかりの「選挙」で、その実は軍部が「民間の顔」をして行うものです。議会の定員のうち、25%があらかじめ軍人枠にあてられており、そのほかの議席に立候補するためにも、巨額の供託金が必要です。さらに、選挙のための政党登録法は、現在収監中か収容命令下にある人を党員とすることを禁じています。そのため、アウンサンスーチーさんが書記長である国民民主連盟(NLD)は政党としての再登録を断念しました。他にも、国民に人気のある民主かを目指す団体と類似の政党を軍政側が作ったりと、軍部は巧みに選挙を操っています。

この様に、民主化とは言い難く、私たちの想像する選挙とはかけ離れたものです。選挙が終われば、アウンサンスーチーさんを解放するとも言われています。しかし、もし解放されたとしても、そのことで選挙の成果に対して肯定的なメッセージを送ってはいけないと根本教授はおっしゃいました。
現在2,100人以上の政治活動家、アーティスト、ジャーナリスト、人権活動家が収監されていること、選挙そのものが公正なものではないことを忘れず、さらに選挙後どの様にビルマの国内が変わっていくのか、注意深く見守っていかなくてはいけないと思いました。


ヒューマン・ライツ・ウォッチでもビルマの選挙に関するレポートを出しています。
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ビルマ:11月7日の総選挙・統制の強化すすむ
2010年ビルマ総選挙一問一答