フォーリン・アフェアーズ紙(日本版)に代表ロスの論文が掲載されました!2010/05/31 10:24

こんにちは。土井香苗です。

 

外交政策に関する最も著名な雑誌のひとつである、フォーリン・アフェアーズ誌の日本版(20105月号)に、ヒューマン・ライツ・ウォッチのエクゼクティブ・ディレクター(代表)のケン・ロスによる論文が掲載されました!記事本文はこちらから読んで頂くことができます: http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201005/Roth

 

記事タイトルは、「世界は人権侵害であふれている - オバマの約束は果たされるのか」。国際法に対してしばしば敵対的で、単独行動を取ることが多かったブッシュ前大統領とは一線を画し、オバマ政権は世界における人権保護に前向きな姿勢を見せています。ロスは論文のなかで、この路線転換を評価すると同時に、言葉だけではなく、具体的な政策で人権の尊重を求めていくよう訴えています。

 

例えば、グアンタナモ捕虜収容施設。オバマ大統領は、就任直後にこの施設を1年以内に閉鎖すると約束しました。ですが、この表明だけでは不十分です。施設を確実に閉鎖し、捕虜やテロ容疑者の拷問に関わった当事者の責任を追及し、公正な法的手続きを踏まない拘束を今すぐやめなくてはなりません。

 

NGOが政府により弾圧されているロシアでも、オバマ大統領は、市民社会の重要性について勇敢な演説を行いました。しかし、ロシア政府に対しては、人権弾圧をやめるよう、強く求めたわけではありません。

 

中国でも同じです。オバマ大統領は中国との貿易や経済、外交関係を優先し、中国における人権問題の改善に向け、正面から圧力をかけることを怠ったままです。

 

就任から早くも1年半弱が経過したオバマ大統領。来月にはインドネシアを訪問します。ここでも、同国の家事労働者や、その他の民間人への人権侵害をやめるよう、インドネシア政府に強く要求してもらいたいものです。ヒューマン・ライツ・ウォッチも、人権がまもられた世界を目指し、これからもオバマ大統領に働きかけを続けていきます!