Webby AwardでPeople's Voice賞受賞!- インドの妊産婦の死 ― 2010/05/09 13:45
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、インドの妊婦の死亡の実態を調査。
昨年報告書とビデオ写真集にまとめました。インドでは妊娠中、または出産後に死亡してしまう女性や少女が、毎年、数万人にのぼるのです。詳しくは12月14日のブログ
このビデオがWebby AwardでPeople's Voice賞受賞しました!
Webby Awardは、
デビッド・ボウイーやシンプソンズのクリエ―ターらが参加する
国際デジタル芸術科学アカデミーが主催。
1997年から行っている もので、インターネット界の
アカデミー賞とでもいうべき賞なんです。
「インタラクティヴ広告&メディア」
「オンライン映画&ビデオ」
などのカテゴリーに分かれていますが、
ヒューマン・ライツ・ウォッチとマグナムフォトが一緒につくったビデオは、
ドキュメンタリー(独立作品)部門で、
一般投票一位となるPeople's Voice賞を獲得しました!
受賞映像はこちら
25歳の若さで、夫と二人の子供、そして生まれたばかりの赤ん坊を残して死んでしまったキラン。彼女の悲劇は、村のクリニックで無事に出産を終えたものの、出血が止まらず容態が急変するところから始まります。このクリニックには輸血用血液のストックもなく、緊急医療用の設備も整っていないため、13キロ離れた病院にタクシーで駆けつけますが、時すでに遅く、キランは息を引き取ってしまったのです。
インドでの妊娠・出産時の死の75%が、適切な医療と設備へのアクセスによって防げると考えられます。2005年からインド政府は、妊産婦の無料ケア、合併症ケアといった総合的な医療保証を導入しました。
それにも関わらず、悲劇的な結末を迎える妊産婦が後を立たないのはなぜでしょうか。
大きな理由のひとつに、関係機関が、妊婦死亡の原因究明や対処法の模索を怠っていることがあるとわかりました。数万の助かるはずだった命が失われました。
医療保証が名目だけで、現実がそれに追いついていないことが、インドの女性の命にかかわる深刻な問題となっています。現状をしっかり把握し、システム改善にむけた真摯な姿勢が、インド政府に求められます。
この報告書についての日本語ニュースリリースはこちらから。
また、英語版オリジナルはこちら。
もっとインドの人権ニュースをご覧になりたい方はこちらをご覧ください。
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